もう冬休み。
にもかかわらず、補習と部活だし。
この前友達としたクリスマスパーティが楽しすぎてもう今年終わったってことにしてもいいんじゃないかなあ、なんて考えながら手を動かす。
小木先生に冬休み中、勉強教えてもらう約束はしたけど、こんなんじゃ時間ないし、今年はもう先生と話せないかなあ。寂しい。
補習が終わって部活の子達とお昼ご飯を食べてるとき、廊下を先生が通るのが見えた。いつものように見てると先生と目が合った。これはチャンスと思って教室を出た。
「先生、世界史.....」
思い切って廊下に出てきたはいいけど、話すこと考えてなかった私の口から出た言葉。
「明日の午前中なら学校来てるよ。部活は?午前?午後?」
不完全な言葉だけでちゃんと意味を汲み取って答えてくれる。
「じゃあ、明日午後練なので行きます!」
そんな先生がやっぱり好きだなあ。
今年最後、先生との約束できちゃった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。