叶:ん…、
晶斗:……おはよう、叶。
叶:おはよ、
この人は私の
"幼馴染"
と
"片思い相手"
幼馴染というカテゴリーを外せば
私はもう、告白をしているだろう。
叶:昨日は、隼君と喧嘩してたけど…
晶斗:っ…アイツがうるせぇんだよ……。
叶:まぁ喧嘩するのは、いいんだけど……、うるさくしないでね
晶斗:それ、喧嘩じゃねぇだろっっ!!!
叶:あーあー、聞こえなーい
晶斗:おい!叶!!……お前も昨日、琉季と喧嘩してたじゃねぇか…
叶:琉季が私の本を取るからよ
晶斗:かわいいじゃねーか
叶:あんなの悪魔。
こんなくだらない、会話をしていれば
幸せ…。
そんなことは思っていない。
この会話は好きだし、毎日でもやっているけど。
カップルに憧れる。
手を繋ぎ。
一緒に帰る約束をする。
こんな登校がいいと思ってしまう…
私はとても、わがままだと思う。
流風:おっはよ―――――!!
叶ちゃん!哀井さん…。
晶斗:俺だけ、残念そうだな…麻巳耶。
怜:おはよ、晶斗
叶:おはよ、流風…後………秋川君。
怜:おはよ、中原さん
流風は私の親友…だ。
とても頼りにな…る?
もう一人は
まさ(晶斗)の親友の
秋川 怜だ。
唯一、まさへの思いに気づいた人だ。
叶:流風、篠崎さんは?
篠崎さんとは、流風の登校相手だ。
流風:あー、春(春夏)ちゃんは別の人と行くんだって
叶:そう、秋川君は?
怜:俺?……中原さんに話を聞きたかったからかな
叶:…はぁ、そうですか
晶斗:話って何だよ!
叶:まさは知らなくていーの。
知れたら、大変だ。
まさはすぐ困る。
眉毛が犬みたいになる…
それで、すぐ答えがでる。
振られるのもわかってるし、困られるのも
わかってる。
だからこそ、言わないのもある。
流風:叶ちゃん…今日、先生に運びもの頼まれてた…!!
叶:え、
流風:行こう!
叶:え、えっ、ちょっと…ねぇ!!
まさか、この幸せな時を
こいつに潰されるとは……
この、ひょろひょろもやしかと思っていた
筋肉ピンクに誰か天罰を…。
秋川君はご愁傷様みたいな顔で見ているし。
まさは…馬鹿している顔だ…。
イラつくけど、イラつくけど!!
我慢しなきゃ、これも恋だ…。
怜:ところで、晶斗……
晶斗:ギクゥ
怜:好きな人教えて……くれるんだよね?
晶斗:え、あー、そんなこと言ったっけ?
怜:明日教える!必ずー!って言ってたの…哀井 晶斗さんですよね?
晶斗:はい、ごめんなさい。
怜:よしっ…じゃあ教えて?
晶斗:えーっと…それは
俺は秋川 怜。
哀井 晶斗の親友だ。
それと…
晶斗の幼馴染に恋心をもっている。
そう、中原 叶さんだ。
クールだけど、心は女の子で儚い…。
晶斗に恋心をいだいているらしい。
馬鹿晶斗には勿体ない、人物だ。
中原さんは、容姿端麗だし、勉強出来るし
運動もそこそこだし
3年の中じゃ人気の方だろう。
別に同じクラスじゃないし
晶斗の事でしか、接点がない。
中原さんと話していて、教室に戻れば
他の男子に誰?と問い詰められる。
俺のまわりには敵が多い。
私こと、流風は!
叶ちゃんの友達です。
叶ちゃんはクールだし、何考えてるかわからない。
恋愛とは程遠いと思った。
でも、叶ちゃんのこと好きになる人は多かった。
ミステリアスな叶ちゃんが幼馴染なのは
犬系で騒がしい、哀井さん…
幼稚園からずっと一緒。
叶ちゃんからしては、こんな人…、迷惑なんだろうな。
叶:何してるの、流風
流風:ご、ごめん!!…さっ行こうか!
叶:いつも変だけど、今はすごい変だった。
流風:そ、そんなことないよ!!
叶:はい、はい
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。