第14話

電話2
80
2017/11/05 13:36
あなた「それで、先生からはなんて言われているんですか?」

何だか萌花先輩の心の中に

入り込んでしまっているのが

申し訳ない気もしてきた。


萌花先輩「先生?……あ、うんとね……えっと」


あ、これは聞いちゃいけなかったやつだ

先輩はいつも自分が言いにくいことになると

声が少し高くなる。


萌花先輩「……わかれよって……言ってた、うん 」

あなた「……すみません、」

萌花先輩「えっ?いいのいいの!だって、話さなきゃ前に進まないでしょ?」


この状況でも後輩に気を遣うだなんて

なんて優しいんだろう。

いや、優しすぎるんだ。


あなた「……先生はそれでいいんですか?」

萌花先輩「いい訳ない、よ 。だってはじめて付き合った人だもん」

あなた「そうですよね、……でも」

萌花先輩「……でも?」


言えるわけない、先輩が優しすぎるんだって

先輩がつけ込まれていたんだって

……利用されていた、だなんて


あなた「いや、何でもないです!」

萌花先輩「あ、そうなの?」


そんなとき階下から聞こえたのは

夜ご飯を告げる声だ。


あなた「す、すみません先輩……」

萌花先輩「あ、夜ご飯でしょ?笑」

あなた「あ、聞こえてましたか?笑」

萌花先輩「うん!お母さん元気な人なんだね!」


めっちゃ恥ずかしい←

これだからは私の母は……

萌花先輩「それじゃ、切るね!」

あなた「すみませんでした、先輩」

萌花先輩「ううん、やっぱりあなたちゃんは人を励ます才能があるよ!」

あなた「えっ?」

萌花先輩「ううん、バイバイ!」




次に表示された画面には

ありがとうと書かれた可愛らしい

スタンプが押されていた。


「ありがとうございました」


と書かれたスタンプを押し、

私は階段を駆け下りた。



萌花先輩は……


不思議な人だ。





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