なんでどうして?なんで?
涙が溢れるのに
それ雫には感情は含まれていない
好きなはずなのに?
なのに、嬉しくない?
私は本気で先生のことを想っているの?
……花恋、ごめん
音楽室へ走りながら
私はただ泣きじゃくった
……神様、これが青春ですか?
花恋「あなた!ちょっと、待ってってば!」
後ろから声が聞こえる、
やめて ……ねぇやめて
花恋「どうしたのあなた?なんでそんな……」
あなた「だって、だっ」
花恋「言いたいことがあるなら言いなよ」
優しく聞こえる言葉は
彼女の表情によって搔き消される
あなた「花恋、先生……のこと好きなんでしょ?」
花恋「……なんで?」
あなた「1年生のころから思ってた、花恋ってさ好きな人に対する態度、表にでやすいじゃん……」
花恋「……そうだよ」
想像上の言葉は現実となった
風船という心はもう崩壊した
花恋「そう、大好き、付き合えないことなんて知ってるし……好きって言えば引かれるし」
あなた「……怒ってるの?」
花恋「当たり前じゃん、……あなたに対しては嫉妬だけど、先生が、やだ 」
あなた「ごめん、ね?」
花恋「いいの、あなたは先生に恋してるわけじゃないんでしょ?先生になんて言うか、その、えっと、なんだっけ」
あなた「……やきもち?」
花恋「そう、それ、ねぇ、この恋応援してくれる?」
あなた「……も、もちろん!」
恋心はもう消えて、
トランペットの音が響き渡る
夕方の渡り廊下、
トランペットの音は
花恋への祝福で、
私はただ恋心を隠して
……きっと笑えてない、な
花恋「ありがとっ!」
彼女の笑顔に私の心の形は
歪んでしまったのかもしれない