あなた「失礼しまーす……」
佐村「あ、どうぞ、入って入って」
……なんでそんなに笑顔なんだろう
そんなに笑ってくれたら
ちょっと、期待しちゃうじゃん……
あなた「あれ……他の人はいないんですか?」
佐村「あたりまえでしょ?赤点、石崎だけだよ?」
……めっちゃショック←
あなた「……あー、そうですか」
佐村「まったく世話のかかる子なんだから~」
笑いながら先生が出してきたのは
大量のプリント、
佐村「終わるまで、帰っちゃだめだよ?」
あなた「え、これ全部ですか?」
佐村「逆に全部以外に何があるんだよ~」
え、辞書並みに分厚いんですけど
てか、先生……ドSか←
佐村「まぁ、石崎さんなら5分で終わるかな?」
あなた「いやいやいや!無理です!こんなに出来ません」
佐村「ふーん、じゃあこの5枚ね」
良かったぁ……
ほんとにやらなきゃいけないかと思った
プリントを進めていると
パソコンを使っている先生が
ふいに話しかけてきた
佐村「そういえば、国語のテスト良かったんだっけ?」
あなた「えっ、そうですね、いつもよりは」
今回の国語のテストは
学年10位以内という
文系の実力が出せたテストだった
あなた「なんで知ってるんですか?」
佐村「だって、国語の狭間先生と仲良いもん」
あなた「あ、そういうことですか、」
佐村先生は笑いながら
数学も頑張って欲しいなーなんて言っている
……褒めてくれた
先生と生徒なんて
距離は近いのに
心は世界で一番遠いんだから……
私はその一言だけでも嬉しかった
狭間先生に感謝しつつ
私は喜びを隠しきれなかった
佐村「そうそう、次図形の単元だからしっかり予習しといてね」
はーいと返事をしつつ
先生の横顔を眺めた
……ほんとに好きなんだよ、
このままこの時間が、
続いてくれたらいいのに
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。