第23話

#22 『あっそ』
250
2017/11/08 11:37
横峯に肩を貸してもらいながら保健室に向かう。
ドキドキしてどんどん熱が上がっていく。
でも、横峯には好きな人がいる。
期待しちゃ駄目だ。





ピピピッ…38.3℃
大樹
普通に熱あんじゃん。よくこれで学校来れたね。
思っていたより熱があった。
大樹
先生来るまでとりあえず横になってな。
由梨香
うん…
布団に潜り込む。
横峯は横にあった椅子に座ったまま動かない。
由梨香
ねえ、教室戻んないの?
大樹
だって保健の先生に説明した方がいいし。
由梨香
そんなの自分でできるよ。
今この気持ちのまま一緒にいたくない。
大樹
…心配なんだよ。
心配って言葉。今までだったら嬉しいって思った。
でも素直に嬉しいと思えない。
なんで私のところにいるの?
由梨香
でも戻りなって。授業始まるよ!
それに、居てくれなくて大丈夫だから。迷惑だから。
あ…。迷惑は言い過ぎたかな…?
大樹
あっそ。…戻るわ。
そう言って、横峯は保健室から出ていった。

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