中学3年のとき、茜と同じクラスになった。
その頃にはいじめをしている人はいなかったけど、みんななんとなく茜と距離を置いていた。
私も特に仲がよかった友達もいなかったから、茜と話してみたい、そう思った。
「茜ちゃん、一緒に弁当食べない?」
勇気がいる一言だった。茜は、
「いいよ!一緒に食べよ!」
かわいい笑顔でそう言ってくれた。
そこから私達は仲良くなった。
茜は派手系で私とはタイプが違ったから、周りからは不思議そうに見られたけど、何か言われるわけでもなく普通に過ごしていった。
仲良くなって、茜のイメージがすごくよくなった。
今まで付き合った彼氏は全員自分から告ったとか。
好きになった人としか付き合わないとか。
普通に男好きなのかなって思っていたから、その事には驚いた。
でも、茜の事が大好きになった。
私も茜にはなんでも話せた。
相談事にすごく真剣に考えてくれて、嬉しかった。
茜以上に仲良くなれる人はいないって思った。
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茜、ごめん。
茜は私を思って言ってくれたのに、自分の感情にまかせてイライラを爆発させてしまった。
茜は許してくれるかな?
そう思いながら、部屋で一人で泣いていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。