次の日の朝。
いろいろあって機嫌がよくないところに、さらに追い打ちをかけるような出来事が起きた。
テスト後の恒例行事、席替え。
次の私の席は、廊下側の一番前。
寒いし、授業寝れないし、ほんとに最悪。
横峯は真ん中の列の後ろの方。
茜は窓側の真ん中辺り。
横峯との会話はそれだけ。
この前のテストで赤点を免れたので、冬休みに補習で会うこともない。
だからたぶん、もう話すこともないと思う。
茜とは、早く仲直りしたいと思っていたのに、席が離れてしまったおかげできっかけを掴めずにいる。
はぁ…。
とりあえず授業を寝て過ごしたけど、ずっとモヤモヤしたままだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!