第6話

White
44
2018/07/02 10:25
「は?
な、何言ってるんですかレイさん。僕そんな説明受けてないですし…。」


「トイは黙ってて。」


『トイ』。また呼ばれた。
どこかの国ではおもちゃという意味らしい。僕はこの呼び方を嫌っていた。



僕の感情なんか知らないように、レイさん続けた。



「それにいつ、どんな車、なんの目的でくるっていうのは頭に入ってんの。


おじさんの乗ってる車のナンバー、知らないやつなんだよね。なんで?」




表情を変えずにズバッと言ってしまうレイさん。

車から途中降りて来て、突っ立ている運転手。


そして…

僕の身体は何かを察したのか、渡されていたナイフを後ろに用意し、隠していた。。


次、あと少しで…何かが起こる気がした。



運転手が息を吸う。『大きい声を出す』ような息の吸い方。







「全員、突入!!!」



運転手が声をあげた瞬間、道の脇の木の中から人が20人ほど出て来た。

訓練された動き。警察の攻撃部隊だ。



レイさんは、予想していたように剣を用意していた。

あれ?レイさんは剣なんて持ってなかったはずなのに…。





「トイフェル。」


レイさんの真面目な声。


「は、はい!」

と、驚いて返事をする。



「怖いなら逃げていい。これからすることは、ここでは法に当たらないが、政府の方ではきっと当たる。


だから、
逃げてもいいよ。」



『逃げてもいいよ』頭の中でリピートした。できるわけがない。


突入してきた敵はきっと僕の顔を知っている。自分昔テレビに出てたし。

もし、敵が1人でも生き残れば父に伝わってしまう。






だったらバレないようにすれば……。

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