路地裏に入る。
静かな路地裏。
そこで野良猫は、にゃぁと鳴いた。
前にある大通りは、人で賑わっている…とはいえないものだった。
大通りのはずなのに人1人いない。
それもそのはず。
この辺りは、平和の部隊の基地があるからだ。
この通りは入っていけない。
そのようにしているのだ。
もし、敵が入ってきて基地に攻めてきたら住人に迷惑がかかるから。
もちろん、立ち退いてもらった住人の方には、土地を無料であげた。
もちろん、魔法で作って。
魔法というものは便利なものだが、敵にバレたら大変なことになる。
だからバレないように、そっと…。
路地裏を進むと、建物に沿って階段がある。それを登り、ドアを開ける。
建物の中に入る。
狭い廊下が続いいる。
どこまで続くかわからないくらい。
進んで行くと、右手にドアがある。
そこは喫茶のようなものだ。
おじいさんが経営している。美味しいコーヒーが飲めるので、部隊隊員達にとても人気だ。
因みにおじいさんに残ってもらった理由は、
特にない。本当に特にない。
ただ誰かさんが梅昆布茶を飲みたい、騒いだことがあったかららしい。
服から梅の匂いがするほど、梅昆布茶が好きな人。1人しかいない。
もっと奥に進むと、古いエレベーターがある。
それに乗り込み、部隊隊員にしかわからないボタンをおす。
それをすると、地下へと動く。
古くて変な音が聞こえる気がするが、特には大丈夫だ。
そして、地下に着く。
そこには、平和の部隊の受付がある。
広く、真っ白な所。
新しく入ってきたもの達は、はじめにここを通る。
そして分かるんだ。
この部隊が、平和にしてくれるって。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。