第17話

Invasion
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2017/11/30 11:16
Invasion…侵入



「トイフェル?大丈夫?」

ヴィアちゃんは昨日の事を忘れているかのように接してくれた。

忘れてないと思うけど。



周りにふわふわと花が飛んでいるような、そんな可愛らしい子。

小さくて守りたくなるような…。




「まだ頭痛いの?」


「大丈夫だよ、結構楽になった。」



昨日の夜。間違えて渡されたカクテルを飲んでしまったこと。

そのおかげで頭痛と吐き気が酷かった。

幸い飲んだのは少しだったからいい。



僕達は森を進んでいた。《森の中》を。

もうそろそろで、政府の領地に着く。2日ぶりの政府の領地。


父は帰っていないだろうか、バレていないだろうか。
頭の中はそれでいっぱいだった。


『あーあー、トイフェル、ヴィアちゃん?聞こえる?』


耳につけてる小型の通信機から聞こえる。
レイさんよりしっかりとした声。ルイくんだ。


『そろそろ政府側の領地のゲートに近くなってきたから、作戦をもう一回伝えるね。』


「OK」ちょっとカッコつけて返事をする。


『お!トイフェルノってるね〜。ゲートから離れて百メートルの地点には本当に誰もいない。
そこを狙って政府側の領地に入る。


その後、政府のビルに行く前に近くの公園のところで私服に着替えて。


トイフェルがあれば正面から政府のビルに入れる。』




「ヴィアちゃんは大丈夫なの?」僕が質問する。


「うん、お兄ちゃんが政治に関わってるから。」

秘書っていうのかな、とヴィアちゃんは答えた。



『ということで、ヴィアちゃんもお兄ちゃんに会いに何回もビルに入ってるから大丈夫。




さあ、作戦開始だ。』

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