第2話

少女は空が飛びたいらしい
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2018/01/06 09:07
(Sena side)


俺のクラスには変人がいる



隣の席で暇さえあればずっと空を眺めている奴



安城あなた。



周りはコイツを天使だなんていう




俺も初めて見た時は綺麗だと思った。



でも__


あなた「瀬名、私と屋上に行こう」



コイツは馬鹿だ、と知りたくなかった事に気付いてしまった
















瀬名「…なんで屋上なわけぇ?」



あなた「空が1番綺麗に見えるから、かなぁ」



瀬名「別に俺じゃなくてもいいじゃん」



あなた「まぁ、それはそうなんだけどね」



なんてぶっきらぼうに返すものだから少しいらっとする



俺を連れてきた本人はカメラを持って空をそのレンズに映している



少し、絵になるなんて思ってない。うん思ってない。



いらいらとする俺の隣へ来た安城は



カメラに映し出された空の写真を目の前に差し出した



あなた「綺麗でしょ、この空。」



嬉しそうに頬を緩めて言うものだから



瀬名「…ふぅん、悪くないんじゃない?」




つられてしまいそうになる。




あなた「…ふふ、でしょ?」




なんて言うと安城はフェンスにもたれかけた




あなた「……ねぇ瀬名。」




瀬名「なに。いきなり真剣になっちゃってさぁ」




あなた「笑わないで聞いてね」




透き通るような青い空を背景に



彼女は




「私、空を飛びたいの」




と言った。




瀬名「…は?」




俺達は人間で、翼のない人間が空を飛ぶなんて不可能である




_この時コイツの言葉に隠された本当の意味に気が付けていたら、どれほど良かったのだろうか。

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