前の話
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ピコンとスマホの画面が光って
ベットの上にいるあたしは
その通知を見て固まった。
…は?
何、こいつ。
とりあえず、何か返事返さなきゃ。
そう思って、キーボードをタップすると
‐ピコン
また同じやつからLINEが来て。
JKかよ、なんて独り言を呟いて
そう返した。
…何であたしに聞いてくる?
ふと、時計に目をやると
時刻は23時22分だった。
もうこんな時間か…
眠い目を擦ってから
布団に入った。
「っす。」
声がする方に振り向くと
少し寝癖のついた祐也が
あたしの後ろから歩いてきた。
「おっす!何眠たそうな顔してんのよ!」
パンっと軽く祐也の肩にパンチを入れる。
「…ってえな。それより、昨日の誰、だよ」
昨日…。
祐也のその一言で
あたしは昨日の事が蘇る
その言葉を思い出し、
「っ、」
思わず下を向いた。
「優希?おい、聞いてんのかよ」
「…るさい、ほら!学校遅れる!!!」
あたしには好きな奴がいる。
その人は…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!