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story…【薔薇の魔性…】
君の家の庭先に咲いている…
大輪の薔薇…
君の為に咲かせた花さ…
俺は薔薇の妖魔…
この刺で君を刺してやりたい…
これは嫉妬さ…
人間の男性に恋した君…
俺の想いに気付かぬまま…
今夜も靴音軽やかに出掛けていった…
ただ…見守る事しか…
出来ない俺を置いて…
このドス黒い感情…
身を焦がしながら…
幾多の月日を越えて…
君がその気ならいいョ…と
俺が諦めかけた時…
chanceがやって来た…
人間(男)は…
俺の枝から…花を1本採ろうとした…
今だ!!
俺は男の手に刺を刺した…
そして今…
君の側にいる…
庭に置いてあった…
薔薇の木が…
枯れてくのを…
眺めながら…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!