放課後
柳瀬のことをまだ教えてないから、誘ってくれてた。
乃々は、悟ってくれたのか麻耶を連れて帰った。
後でちゃんと二人には教えよう。
私の気持ちも。
帰る準備をして教室を出た。
今までの会話を、ニヤニヤしたやつが聞いてることも知らずに。
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ガラッ
相変わらず、人が居ない図書室。
私にはなんで人気がないのか分からなかったけど
まだ柳瀬もついてないので、本を読んで待ってることにした。
手に取ったのは、私たちのクラスがやる演劇「白雪姫」の本
パラパラと捲ると、まあ世間一般が知っているようなお話。でも私はこういう童話が好き。小さい時こんな王子様がいたらなーとか思った。
ふと思い出すのは、王子様役の柳瀬の顔。
白雪姫は、毒りんごを食べたあと。
王子様のキスで目を覚ます。
本だから、出来ることであって実際にはしないよね?
想像しただけで顔が熱くなる
ガラッ
何とか、緊張を抑えて平常心で話そうとする、、
キスはしないけど、ギリギリまで柳瀬の顔が近くにあるってこと!?そんなのほかの人に見られるの耐えられないんですけど!!
でも、毎回毎回他の人に見られるよりはマシ……?なのかな
それに、柳瀬と二人きりになれるし。
そう言って図書室を出ようとした時
ギュッ
手を掴まれた
帰りたい!!!でも私から帰りたいなんて言えるわけないよ
と言って、振り払おうとした
意地張っていうんじゃなったァ!!
はず。。。
逆にそのまま手を引かれて図書室を出た。
素直になりたいな___。
いつかは、自分から誘えたらいいな。
そんな思いを秘めて、柳瀬の隣を歩く。
前よりも距離を縮めて。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。