初めて一緒に帰る帰り道。
今日は気温が低くて寒いはずだけど、今の私からしたら丁度いいくらい。
鼻歌なんて歌ってる柳瀬。こっちは緊張してるっていうのに!コイツは通常運転か!
あーも!そんなこと考えるんじゃなくて!!!
ちゃんと柳瀬に言わないと…!!!
勇気を振り絞って名前を呼びかけた時、突然そんなことを言われた。
やっぱり、勘違いしてる…
今言わなきゃ…!!!
思い切って伝えた。ちゃんと、付き合ってないって言えた!
ニヤニヤした顔で、私を見る。
図星だ……
あー、また意地張っちゃった。
素直になれれば…
本当は柳瀬に誤解されたくなかったんだよって言いたかったのに
私もだよ!って言えよ!私!!
馬鹿野郎。言いたいことが逆なんだってば
何かを思いついたのか、おもむろにスマホを取り出した。
酷い事言ったのに、笑顔でそう言ってくれる。
そこに胸がきゅんってなる。
顔が赤いのをバレないように下を向きながら、スマホを取り出す。
ピロン
翔>やっほー♥
すぐにLINEが来た。
嬉しそうにスマホを見つめる柳瀬が、子犬みたいに可愛かった。
遥>喜びすぎだよ、バカみたい笑
初めて交わすLINEも態度が素っ気なくなる。
でも、LINEなら少しは自分の気持ち素直に伝えられるかも!!!
小さく呟いた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。