演劇練習。4回目。
本番まで後少し、みんな賞を狙いに来てるだけあって本気であった。
私も一応みんなの足を引っ張ることだけはしたくないから、家で練習してきた。
委員長が、困った顔で私に聞く。
なんで私に?と思ったけど、それよりなんで柳瀬がいないのか、の方が気になってしまった。
どーしたんだろ……
そうみんなで待っていると
と、ヘラヘラした顔で歩いてくる
女の子と話してただけか…心配して損したわ…
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委員長の掛け声で、ナレーションが話始める。
その声でわたしは、ステージに出る。
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前半のセリフはみんな上手くいっていた。
今から、後半の台詞。
クライマックスという事は白雪姫と王子様のラブシーンがあるわけで………
心臓が尋常じゃないくらい鳴っている。
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そしてとうとうクライマックス。
白雪姫が悪い魔女からリンゴをもらい、それを食べて倒れてしまう。
小人達が、泣きながらお花を手向けると
そこに王子様が登場。
そう言って王子様はキスをする。
実際はするフリだけど
私は目をつぶっているから、何がどうなってるのか分からないけど
吐息がかかる程に柳瀬との距離が近いことがわかる。
そして王子様のキスで目を覚ます白雪姫。
そう言って、台本にはない手を握る行為をしてきた。
柳瀬が台本と違うことをするから、緊張してきてしまう。
ようやく通しが終わる。
演技だとしても、意識しちゃうよ…
柳瀬が王子様なんだもん。
本番大丈夫かな~……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。