私は短く、簡単にわかりやすく説明した。
「なるほど、そういう事だったんだ。」
清水さんが納得したように頷く。
「あなたちゃーん?大丈夫?」
と中から達也さんの声が聞こえた。
「だ、大丈夫です!」
何が大丈夫なのかよくわからないけど、、、
「あの、とりあえず、みんなでご飯食べませんか?」
「えっ、でも、、」
4人が美紅と啓太と私を見た。
「私達は大丈夫です。みんな居た方が楽しいし!それに達也さんの誕生日パーティなんですよね?」
「うん。だけど…。」
「なら、みんなでお祝いした方が良いじゃないですか!?」
少し考えてから
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
と言ってくれた。
「じゃあ、とりあえず、ブワァーっとみんなでいく感じで良いですかね?」
「あ!俺クラッカー持ってます!」
と、村田さんが袋の中から取り出した。
そしてみんなに配ってくれた。
「んー、じゃあ、あなたちゃんが、『達也さん、まだ1週間前ですが』って言ったら」
「みんなで『お誕生日おめでとう!』で良いかな?」
「わかりました」
みんなが頷く。
「じゃあ、行きまーす!」
私はドアを開けてリビングへ向かう。
それにみんなも付いて来た。
なんだか警察の突入みたい。と思い、うふふ。と笑った。
「えっ、え?え??みんななんで?」
みんなが来たところで、、
「達也さん、あと1週間ありますが!」
『お誕生日おめでとう![ございます!]』
「あ、ありがとう。」
ありがとう。とは言うものの今の状況に頭がついていってないみたい。
「え、なんでみんないるの?」
「だから、達也を祝うためだろ?」
と松本さん。
「でも、あなたちゃんの友達は?」
「こっちが美紅で、そっちが啓太です。」
と私が紹介すると2人とも『よろしくお願いします!』と挨拶をした。
「あぁ、よろしくね。」
その後どうしたら良いかわからず、みんな黙ってしまった。
「えっと、じゃあ、達也さんは座って待っててください。」
「でも、準備が、、」
「それは私がやりますから。何を作るんですか?」
「たこ焼きだよ。」
「わかりました。じゃあ、その間に今の状況を誰かに教えてもらってくださいね?」
「わかった。ありがとう。」
私はキッチンへ向かい、準備をし始めた。
「あなたちゃん、何か手伝う?」
「あっ、清水さん。じゃあ、これ混ぜてもらっても良いですか?」
「うん。良いよ。」
「あのさ、あなたちゃんと達也…」
といった時、
「あなたー?」
と、今度は美紅が来た。
「んー?」
「あ、美紅ちゃんだっけ?」
「はい、清水さんですよね?」
「うん、よろしくね。」
「こちらこそ。」
「じゃあ、これ焼いて来て良いのかな?」
「あ、はい!お願いします。」
「何話してたのー?」
「いや、何も?なんか清水さん言おうとしてたけど。」
「ふーん、私も何か手伝うことある?」
「もう下ごしらえは終わったからあとは焼くだけ!」
「おぉー!早く食べたい!」
「じゃあ、お皿とかソースとか持ってこ〜」
「うん!」
美紅に『持ちきれない!』というまであれこれ持たせて、先に行かせた。
「んー、後は…あ、あのお皿使えそう!」
届くかな?
うーんと伸ばした。
後もうちょっと!
「わっ!」
後ろから誰かが支えてくれた。
「あ、ありがとうございます。」
そして、お皿を取ってくれた。
「はい、どーぞ」
「あ、啓太!?」
「そーだけど?」
「なんか…意外と背高いんだね、、」
「意外ってなんだよ!!俺も男ですから?」
「あー、そうですね〜」
中学くらいまで私より背が低かった啓太。
高校になってからグンと伸び、今では私より8cmくらい高いと思う。
「はぁ〜、啓太も大きくなったねぇ。」
「何そのお母さんみたいなセリフ。」
「別に良いじゃん〜。」
「あなたちゃーん?たこ焼き焼けたよー?」
今度は達也さんが来た。
なんだか次々とみんなが来てくれる。
「はーい、じゃあ、啓太、そのお皿とあそこのお皿持ってって」
「ほーい。」
啓太お皿を抱えて持って行った。
「あなたちゃん色々ごめんね、準備まで任せちゃって。」
「大丈夫ですよ。達也さんの為ですから!あと、ごめんね。じゃなくてありがとうの方が良いです」
と笑って言った。
「そうだね、ありがとう。」
すると、私に顔を近づけて私のおでこにチュッとキスをした。
もうっ!
これから、毎日こうなのかな ??
キュンキュンしすぎて心臓が持たないから!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。