第9話

お帰りなさい
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2017/11/05 08:06
ピロン

私はLINEが来た音で目が覚めた。

急いでスマホの画面を見ると達也さんからだった。

今は夜中の3時30分。

こんな時間まで…。

私は返信しようかと思ったけど、起きていることがバレたら『寝てて良いから』って言われそう。

ロック画面に表示されるのを見るだけにして私は起き上がった。

トイレに行ってからリビングへ向かう。

トイレから出ると美紅が部屋から出て来た。

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「ううん。大丈夫。待っててあげるの?」

「うん。お風呂温めないと。」

「偉いねぇ。良い奥さんになりそう。」

「うふふ。あ、美紅は寝てて良いからね。」

「うん、寝る〜。」

美紅はトイレに入った。

すると、またLINEが来た。

画面を見ると、

『もし、起きてたら寝てて良いからね?』

うわぁーお。

さすが達也さん。

うーん。でもどーしよ。

でも、とりあえずお風呂を沸かそう。

沸かしてから、冷蔵庫からお茶を出して飲んだ。


そして私はテレビをつけた。

ニュースやってないかな?とチャンネルを回す。

「あった。」

『昨夜、午後7時30分から住宅密集地にて火災が発生していましたが、

1時間ほど前に消し止められました。

焼け跡から2人の遺体が発見され、警察は身元の確認を急いでいます。

又、けが人は4名。うち1人が重症だと言うことです。』

…。


ガチャ。

あ!嘘。お風呂沸かしたら寝ようと思ってたのに!

達也さん帰ってくるの早い!

急いでテレビを消した。


「お、お帰りなさい!」

「やっぱり…。寝てていいって言ったのに。」

「ごめんなさ…」

私は抱きしめられた。

何かあったんだな。と直感だけど感じた。

そして私も抱きしめ返した。

「現場で何かあったんですか?」

「…。」

「あ、いや、別に無理にとは言わない…。」

「ねぇ、キスしていい?」

「え?」


私がいいよ。って言う前にキスされた。


いつもより長くて、少し激しい。


「はぁ、」

息が続かない。

「あはは、可愛い。息してなかったの?」

私の頭を撫でてくれた。

「だ、だって、」

「ごめん、ごめん。」


「ねぇ、あなたちゃん。お風呂に入ってから話してもいいかな?夜中なのにごめんね。」

ちゃんと話してくれる。

それだけで私は嬉しかった。

「はい。大丈夫です。待ってます。」


達也さんは15〜20分ほどで出て来た。

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