第29話

消防署
1,048
2017/12/27 07:47
「三浦消防正監に敬礼!」

九条さんの合図でみんな一斉に敬礼をする。

すると、隣にいる慎太郎さんも敬礼を返していた。

え?え?ちょっと待って。よくわかんないんだけど、、

すると、慎太郎さんが、

「まぁ、堅苦しい事は後にして、とりあえず少し休憩しよう。それから色々見せてもらうからね。」

と、微笑んだ。

「わかりました。では今から10分間は休憩とする。各自体調を整えるように。」

九条さんさんはみんなに向かっていう。

「はい!」

あぁ、カッコいい。

息ぴったりで、お腹から声が出てて、シャキッとしてるとこが良い!


「久我くん。お客さんですよ。」

と言い、慎太郎さんは私の肩にポンっと手をのせる。

すると、達也さんは駆け寄ってくれた。

「ありがとうございます。」

と、慎太郎さんに言い、

「どうしたの?何かあった??」

と、心配そうに言う。

「あ、そんなに大変なことじゃないんですけど。はい、これ忘れていっちゃったので。」

「あ、忘れてた!ありがとう。」

ニコッとしながら受け取ってくれた。

「よかったな、達也!」

と、ガタイの良い、大きな人が達也さんの背中を叩いた。

「いてっ、ちょっと、上田さん。痛いです。。」

「あぁ、悪い、悪い!」

えへへ。という感じで謝る。

「俺は、上田剛(ウエダゴウ)だ。よろしくな!」

「あ、よろしくお願いします。私は…。」

「あぁ、知ってるよ。あなたちゃん。みんなのアイドルだから〜!」

「えっ?どういう…」

「上田さんストップ!これ以上はダメです!言わないでー!」

達也さんは上田さんを止める。

なになに!?なんかすごく気になる!

「まぁ、奥さんの前だしな。しょうがない。一つ貸しな?」

お、奥さん!?

私は少し顔が熱くなる。

「上田さん、まだ奥さんじゃないんですよ。」

と、達也さんが言う。

「あれ、そうだったのか。てっきりもう結婚してんのかと思ったよ。お前、この前の飲み会の時…」

「あー!だから!言わないで!一つ貸しで良いですから!」

そんな事までして止めたい話…。

聞きたい!!!!!

「あの、何かあったんですか??」

「いやぁ〜、内緒だけど。一つ教えてあげる!達也ね、あなたちゃんの事溺愛だから。」

ちょっと不器用なウィンクと共に言う。

「で、溺愛…ですか?」

私はますます赤くなる。

「うんうん!あれ、赤くなってる!かわいーなぁー」

「ちょっと、からかわないでくださいよ。」

と、すかさず達也さんが止める。

「本当の事じゃねーか、早く奥さんにしてやれよ。」

再び、上田さんは達也さんの背中を叩く。

「したいですけど…。」

ボソッと呟く様に言った。

上田さんには聞こえてなかったみたいだけど、私にはしっかり聞こえていた。

うわああああ、

嬉しすぎて、どうにかなりそう。

達也さん、私も達也さんの奥さんになりたいです!!

私は熱中症で倒れるんじゃないかと思うくらい、赤くなっていくのがわかった。

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