朝ごはん…何を作ろうか
するといつの間にかパソコンの前に座りゲームのコントローラーをいじっていた彼は身をこちらに向けて
と言った
私はどこにあるかわからないボールを探偵気分で取り出し卵を溶いた
久しぶりのこの感覚
しばらく自分で料理をしていなかったので卵を溶く作業も楽しく感じる
いつもコンビニ弁当だったからなぁ
さっきボールを漁った時に出てきたフライパンに油を敷き、チキンライスを作る
ポキさんがいきなり話しかけてきた
多分、ケチャップが服についたら大変だからだと思う
そう返事をするとヒラヒラのついた白いエプロンを片手にこちらに近ずいてくる
そういった彼は私の返事を待たずにエプロンを広げ私の前に持ってくる
ふと知らないシャンプーの匂いがする
とてもいい匂いだ
男の人の匂いもする
そんなことを思っているうちに首の紐紐は縛り終わっていて腰元で紐をリボン結びしてくれている彼がいた
ものすごくヒラヒラしているエプロン
胸元にはピンクがかったリボンがついている
そういいながらまた彼はパソコンに向かう
よし、つづきをしよう
気を取り直してチキンライスをつくり卵を焼く
少しスクランブルエッグのようにするとフワフワで美味しくなるのだ
私は指定された机にオムライスを置き、エプロンを脱ごうとする
そっか似合ってるからか
似合ってる!?
理解が追いつかないまま私はエプロンを脱がないで朝ごはんを食べることになった
ポキさんは、オムライスをスプーンですくい口に運ぶ
私もオムライスを口に運ぶ
我ながら美味しい笑笑
もくもくと食べ進めているうちになくなってしまった
1人でそういった私はポキさんの方を見る
するとポキさんはもう食べ終わっていたみたいで頬ずえをついて私の方を見ていた
そう言った彼は私の口元からご飯粒を指ですくい、口に運ぶ
なぜ平気でそんなこと出来るのだろう
いや平気じゃないみたいだ
顔が赤い
私は食べ終わったお皿とスプーンを台所に持っていき、洗った
しばらくして洗い終え、パソコンの方を向くとボーっとしている彼がいた
呼びかけるとハッとした顔で私の顔をみる
何もわかっていない私に近づいてきた彼はマスクを外し私の唇に自分の唇を重ねた
私は自分の服装を見る
すると、腰元のエプロンの紐はいつの間にかほどけていてシャツは胸元のボタンが外れはだけていた
そう言うと私に返事をする時間もとらずまた唇を重ねる
今度は甘酸っぱいようなキスではなくとても深いキスだ
息継ぎのタイミングを見失って口を開けた瞬間舌が入ってきた
私より彼の方が背が高いから、私は彼を見上げる形になっている
目を開いてみると目が一瞬だけ目が合ったがキスは止まらなかった
息が苦しくなって彼の胸を叩く
するとキスをやめてくれた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!