第17話

悪夢の解放
97
2017/12/28 09:42
午後11時-

ルアリエと優夢はあの幻想的な回廊に来ていた。
優夢
優夢
…ねぇルアリエ、ここって魔力濃い?
ルアリー
ルアリー
あぁそうだな、少なくともいつも俺らがいるところよりはだいぶ濃いはずだぜ。……それがどうかしたのか?
そう言うルアリエに、優夢は頷く。
『夢の操り手』としての記憶が、最近少しずつ夜眠っている時に明らかになってきたのだ。それらが本当ならば、『夢の操り手』は1度だけ広範囲にわたって悪夢の解放と良夢の加護をすることが出来るはずだ。しかし、それをする為にはかなりの魔力を必要とするらしい。だから、優夢はここについてよく知るルアリエに聞いたのだった。
優夢
優夢
…『夢の操り手』として、『夢の操り手』の奥義を使ってみたいの
ルアリー
ルアリー
…アレか
ルアリエは奥義という言葉で何をするのかすぐにわかったらしい。
すぐに悪夢にうなされてる人をたくさん連れてくると言いルアリエは消えてしまった。
私がここに初めて来てから2ヶ月が経つ。
最近はあまりここに来られなかった。
でも、今日またここでアレを使えばまたここに来る日は遠のくのだろう。
私は他人に迷惑ばかりかけてしまっているような気がする。
最近まで独りで生きてきたと思っていたのに、ルアリエやユーリアと暮らしてから独りじゃ生きていけないんだと思い知らされた。
私はこれ以上私のせいで何かを失いたくないのに、また何かを失ってしまいそうになる。
これ以上私から何かを失えば-私はこの世に居られるのだろうか?
ルアリー
ルアリー
やぁやぁ連れてきたよ。
今の優夢なら軽く10人は出来ると思ったら15人程拉致ってきた
優夢
優夢
いや拉致るなし………。
まぁいいわ、ルアリエの期待に応えてあげる
ルアリエに弱いところはあまり見せられない。
いつもの雰囲気を直ちに装うとルアリエが連れてきた人の悪夢を解放し夢をすり替えた。
優夢
優夢
……………っ!
それが終わった途端、急に立てなくなり私は膝をついた。
息が苦しい。何が起こっているの?
ルアリー
ルアリー
あー………んとな、今のお前さんはただの魔力切れだ。
魔法使いってのは魔力が切れたらまるで全速力でかなりの距離を走った後のようにしんどくなるんだ。
特に初めて中規模な魔法を使ったんなら無理もない。
今日は終わりにしてゆっくり休もう
『夢の操り手』も一応魔法使いなのか。
そう、朦朧とする意識の中聞こえてくるルアリエの声に私は反応する。
立つこともままならない私をルアリエはおぶってくれた。ルアリエの背中は、人形の時とは全く違う温かさがあった。
優夢
優夢
……………ありがと、ルアリエ
ルアリー
ルアリー
なぁに……お前さんが居なかったら俺もユーリアもここには居ねぇってのに
-そうか。
でも、その理由が何であろうときっと私なら嬉しく思うのだろう。そう思いながら、私は眠ってしまった。



to be continued

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