私は早坂あなた。
高校二年生!
今日、後輩の涼介くんに会った。
名前は知らなかったけど、前まで同じ電車に乗っていた。
実は、前から少しだけだけど、涼介くんのこと気になっていた。
おばぁちゃんに席を譲ってあげていたり。
友達とニコニコ話している時の笑顔とか。
背は少し小柄だけど、人を守ってくれそうな筋肉。
涼介くんはとても良い人そうだった。
でも、私が電車に乗る時間を一つ遅くしたせいで、涼介くんと会うことはなくなってしまった。
もう会えないのかな…そう思っていた。
でも…会えた。
今日。廊下で。じーっとこっちを見ている涼介くん。私はやっと会えた!って気持ちで嬉しくなってニコッと笑ってしまった。私は、今日しかないと思い、涼介くんに話しかけた。
涼介くんは、戸惑いながらも話してくれた。途中、ずっと探して…って言ってた。私のこと、探してくれてたのかな…?とか思いながらも、名前を聞くこともできた。
また会えるかな…?
涼介くん。
涼介くんは、誰が好きなのかな?
私のことなんか、好きになってくれないよね…?
期待したら…ダメかな…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。