第6話
4.話し合い
1時間目のHRは学級委員を決める話し合いだった。
もうすでに、話し合いをしてから30分もたっている。
担任もやる気を無くしたのか本を片手に
学級委員やれと呼び掛けている。
しかし、誰も手を動かさなければ目も合わせない。
私もそうしてるんだけどね。
しばらくして杏里が手をあげた。
あ、杏里がやってくれるんだ。ラッキー。
と思ったのも束の間。
このやり取りに皆が笑う。
私には何が面白いのかさっぱり分からないが、
困ったように苦笑いをしておく。
そう言ってウインクをする。
杏里のあまりの可愛さに男子は
お前学級委員やれよー。と杏里の味方をする。
えぇ。
なんで、私の意見も聞かないで勝手に決めるのよ。
大体いつも杏里はそう。
めんどくさいことは全部私に押し付けるもんね。
サポートとか絶対してくれないじゃん。
文句を言いたいのを我慢して唇を噛み締める。
瞬が言った。
途端に女子は、学級委員やれば良かった
と悔しげな顔をする。
でも、もう遅い。
今日何度目かの視線が痛い。
こっち見ないで……。
どうか放課後まで1日平和でありますように。
と願った。