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第1話

運命の出会い?
1,011
2017/10/30 15:31
(ザーッ)
波の音が、すぐそばで聞こえてくる。
もう死のう。そう思い立ったのは、昨日のことだった。
親や兄弟から侮辱の言葉を浴びせられる毎日。
もうそんな人生いらない。だから、、死ぬ。
そこで私がやってきたのが、海沿いにある物流倉庫。
倉庫で視界が塞がれるここなら誰にもバレずに死ねる。
(フーッ)
一息ついた私は、海に体を投げ出そうと、かかとを浮かせた、、
その時。
??「こんなとこで何してんの?」
あなた「!!」
まるで友達のように話しかけてきた男性は、私の方を見ると、ニコッと笑った。
あなた「あ、いえ、海を見ようとしていただけです。」
私は、見え透いた嘘をついて誤魔化した。
??「ふーん、そっか。でも危ないよ?そんなとこに立ってたら。」
??「早くおうちに帰りなさい、ね?」
あなた「はい、分かりました。」
あっけなく私の計画は失敗した。
仕方ない。明日死ぬとしてもう今日は帰ろう。
そう心に決め、私が足を踏み出したその時
女1「ウッ!」
向こう側で女の人の声がした。
私が声のした方に顔を向けると、、
女の人が誰かに口をハンカチで覆われて、必死で抵抗していた。
女の人を襲っていた男の人は、さっき話しかけられた人と同じくらいの身長で
雰囲気もどことなく似ている、、、
あなた「!!!!」
私が頭の奥で確証のない何かを察し、さっきの男の人を見た瞬間、
??「フッ」
まるで私の心の中を見抜いたかのように、嫌な感じで笑うと
私に向かって足を踏み出した。
その瞬間私の足は既に動いていた。
倉庫の間をすり抜け、駆け出していく。
もともと運動神経のない私にとって、何かに追われながら走るのは困難だ
あの目と微笑みを見た瞬間、私はわかった。
あの2人はグルで、女の人を静かにさせようと思っていたら、私の姿が目に入ったんだろう。
そこで、彼らを見つけないうちに、この場から遠ざけるために話しかけてきたのだろう。
しかし、私はあの女の人を見てしまった。
ターゲット変更という訳か。
どうやって逃げよう。そう思っていた矢先、、
あなた「!! そんな、、」
なんとそこは行き止まり。私が迷っていると。
(ザザッ)
気味の悪い足跡が近づいてくる。
私が足も出せずに固まっていると、
??「あ、いた〜」
あの男の人が面白そうに近づいてきた。
??「なんで逃げるの?俺そんなに怖い?」
??「俺、君に何もするつもりないよ?」
あなた「そんな訳ない。だってさっき、、、」
私は勇気を出して、男の人の横をなんとかすり抜けようとした。
しかし、そんなことが通用する訳なく。
(バンッ)
壁に当たった音がした。
私はあっという間に、口を塞がれ、羽交い締めにされ、壁に当てられていた。
すると。
??「おーい、山田!!どこ行った?返事しろーっ」
??「おっ、大ちゃーん!こっちこっち!!」
山田と呼ばれた男の人は、大ちゃんと呼びかけた。
山田「なー、さっきの女より、こいつの方がよくね?スッゲェ可愛いし。」
大ちゃんという人がこちらに現れると、山田という人は急にそんなことを言い出した。
大ちゃん?「うわっ、何この子!スッゲェ可愛い!!」
山田「だろ??こいつなら、みんな大喜びだな!!」
大ちゃん?「だなっ!!早く連れて行こうぜ。」
山田「あー。」
山田という人は、大ちゃんという人に、軽く返事を返した後、
私の方を向いて。
山田「これからよろしく、俺らのエンジェルちゃん?」
そんな声が聞こえてきた瞬間、

バチッ

という音が聞こえた。
これから、私と、彼らの、未知の世界が始まる、、、

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