ーside裕翔ー
思ったよりもお店は混んでいた。
10分くらい並んでようやく俺の番。
とりあえずあったかいココアを買い、ジェットコースターの乗り場へと急ぐ。
あなた、今どこに並んでるんだろ…?
LINEを送ったのだが、何分経っても既読はつかない…
仕方ない、なんとかして探すかと思って歩いていると、乗り場の近くの人たちがなんだかざわざわしている。
え…女の子…?
連れていかれた…?
嫌な予感がする。
俺はその女の子たちに話しかけた。
女の子たちは一瞬びっくりしたような顔をしたけど、すぐに教えてくれた。
ヤバいかもな…
あなたは可愛いし、こんなに人がたくさんいるところに1人で置いてきたから心配はしてたけど…
俺は持っていたココアを2人に渡す。
そして、女の子が教えてくれた方へ走り出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。