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第25話

番外編-ふわふわマカロン-2
47
2018/02/18 00:04


「なんで………」


午後4時半。妹弟が学校から帰ってきて遊びに行く時間。


これまでに作ったマカロンの数はおよそ50個。

…成功は、0個。


「どうして…練習では上手くできたのに…!」

時間が時間で焦燥感に襲われる。
マカロンは表面を自然乾燥する事が大切で、1時間位かけて乾かす。もうすぐお夕飯の準備をしなきゃいけないのに。


メレンゲはちゃんと作った。
マカロナージュも太いリボン状になるまでした。乾燥もさせた。なのにピエが出来ない。
そのせいで表面も中もカリカリだ。

「こんなのじゃ、佐藤くんに渡せない…」

ポツリと呟いた。涙が出そうになる。


「あらどうしたの、こんなにお菓子を作って」
唐突に声が降り掛かってきて、俯かせていた顔を上げる。と、そこには「ただいま」と微笑む私の母がいた。

「お母さん……」


「そう、ピエができないのね。…メレンゲはちゃんと作った?」

「うん、ツノがピンと立つまで。」
そう言うと、お母さんはふとキッチンを見渡した。


「……そのシュガースティックはなぁに?」
お母さんはトップバリュのシュガースティックを指さす。

「あ、それはグラニュー糖の代わりで…近所のスーパーにグラニュー糖なかったから、メレンゲ用に。」

丁度いつも使っているサン黄糖もお店にも家にもなかったし。

「…それじゃないかしら…?」
え。

「そう、なの?」

「粉糖は余ってる?」
あるよ、と差し出す。



「じゃあ、それで作ってみましょう」

にこり、と母が笑った。

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