第8話

距離感近すぎです。
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2018/01/02 11:21

「じゃあ練習再開するかぁ…。」


うらたくんが疲れたような声で言った。
みんなも疲れてそう。
大丈夫かな…心配だな…。

なんか私に出来ること考えてみようっと。


「よし、…最初から通して見るか…。」


志麻くんが呟いた。
じゃあ講堂借りなきゃだよね。
鍵を取りに行くか〜…。


「ちょっと鍵取ってきまぁす〜」


そう言って私は部室をあとにした。

もう菜ノ香先輩に会いたくない…。


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私は無事に職員室で講堂の鍵を手に入れた。
急いで部室に戻ろうとしたんだけど…。
また騒がしい声が聞こえてきた。


「あッ!あなたちゃんじゃない?!」


えっ、私ですか?!誰?!
…クラスの軽音部ファンたち…?


「えーっと…どうしたの?」


私は尋ねてみた。


「あのね…軽音部のみんなって…、
どこに居る…?」


えっ、これって…どうしたらいいの…


「多分…部室だと思うけど…。」


言っちゃったけど大丈夫かな…。
みんなごめんなさい!!


「分かった!ありがと〜♪」


みんなは部室の方向へ向かっていった。
どうしよう…。みんな疲れてるのに…。

私は別の階段から部室に大急ぎで向かった。

息が上がる…。でも早くしないとッ!!


「「「キャアアッ!!!!」」」

ドアの前で黄色い声援が聞こえる。
あ、ちょっと遅かったかも…。
みんなほんとにごめんなさい!!

私は逆方向のドアから部室に入る。


みんなはサインとか写真とかを求めてるみたい…。
あぁ、どうしよう。


「サイン?まぁ…ええよ。」


センラくんは笑顔で対応してる。
でもあの笑顔は絶対嘘の顔だよ…。

私が困っていると坂田くんが気づいたみたい。


「あれ、…あなた戻ってたの?」


「う、うん…。」


「あ、あなた。」


志麻くんも気づいてくれた。


「あ、マネージャー来たから、
ここまでなぁ?」


センラくんがファンサを終わりにした。


「えっ、あなたちゃん…。」


ファンのみんなが私を冷たい目線で見てきた…。
私は思わず俯いた。

すると…、背後から抱きしめられた。

「あなた。はよ講堂行こか?」


えっ、センラくん…?
そんな声で囁かないで…。

私は頷くしか出来なかった。


「みんなごめんなぁ。でも…、
センラはマネージャーが1番大事やから。」


センラくんはそうみんなに謝っていた。
そんなこと言われたら嬉し過ぎるよ…。

みんなは不満げに戻って行った。


「みんなごめんね。折角練習するところだったのに…。」


「大丈夫だよ。あなたは悪くない。」


そう言ってうらたくんが頭を撫でてくれた。


「ありがとう…。」


…ってまだセンラくんは私を抱きしめてる。


「センラくん…。私もう大丈夫だから…。」


「センラがこうしてたいの〜…」


何そのあまえ方…。
可愛すぎる…。


「鍵取ってきてくれてありがとうな。」


坂田くんが私の頬に手を伸ばして微笑んだ。
ちょっと…顔が赤くなるのが自分で分かるよ…。


「大丈夫?熱ない…?」


今度は志麻くんが私の額と自分の額をくっつけた。


「全然…大丈夫だから…ッ…!!」


「確かに赤い…ほんとに平気?」


うらたくんが顔を近づけてきた。


「ほんとに大丈夫だから…!」


「じゃあ…講堂行こか…?」


センラくんは離れる気ゼロですね。
顔が赤い原因は貴方達ですからね…。










〜おまけ〜


さっきの私の状況まとめ。


背後からセンラくんに抱きしめられている。
坂田くんが天使の微笑みで頬に手を伸ばしてくる。
志麻くんが私と自分の額をくっつける。
うらたくんが顔を近づけてくる。(距離感5cmほど…)


これは死にます。
こんなイケメン達に囲まれるとか…。
女子に嫌われるのも当たり前ですよね…。
















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今回も長くなってしまいました。
楽しかったです。
次回もお楽しみください。

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