第16話

誰だろう。
1,944
2018/01/12 09:24

外は気持ちいい青空でした。



「朝からありがとね。家まで着てくれて…」



私は朝から楽しい時間を過ごさせてもらった。
もちろん誰にも言えないような事なんだけどね。



「ううん。俺たちこそありがとう。
あなたの家、綺麗だね〜」



志麻くんが言った。
えっ、そうかな…。



「そんなことないよ!?普通だよ〜」



綺麗ってよく言われるけど…。
私はそんなこと思ってない。
普通の家より大きいのかな…?






その後は色々と話しながら
学校へと向かった。















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学校が見えてきた。
あれ、校門の前に誰か立ってる…?
誰だろう……。



「あ、坂田〜!」



その子が坂田くんを呼んでる…?




「……えっ、凛愛?」



凛愛(りら)ちゃん…?
えーっと…どちら様でしょうか…。




「久しぶり!ずっと会いたかった…!
あのね、、またこっちに引っ越してきたの!」




その子は嬉しそうに話し始めた。
坂田くんは驚いているみたい。




「そうなんだ…びっくりしたよ…笑
またよろしくな。凛愛。」




凛愛ちゃん…っていう子はとても可愛かった。
顔が整っていて、モデルでもやっていそう。

でも…1つだけ気になることが…
多分、坂田くんと幼馴染とかだと思うんだよね。
私も幼馴染がいるから何となく分かる。

でもね、坂田くん…反応が微妙な気がするの。
久しぶりに会ったら、、嬉しそうにすると思ったのに…。





「ねぇ、坂田。久しぶりに話したい…。
今日は時間ないのかな…?」



「ごめん。最近は部活が忙しくて。
だから、…もう少し落ち着いてからなら…」




凛愛ちゃんの誘いを坂田くんは断っていた。





「坂田〜、先行ってるぞー?」



うらたくんが言った。



「えっ、あ、うらたん待ってぇー!」



坂田くんは慌ててうらたくんを追いかけていった。
凛愛ちゃんは大丈夫なのでしょうか…??



チラッと凛愛ちゃんの方を見てみると…



「ねぇ…?ちょっと…いいかな。」



話しかけられちゃった…。
仕方ない、話してみよう。



「うん。大丈夫だよ。」



私は笑顔で答えた。



「あの…さ、貴方。坂田に手出してない?」




「えっ、出してないよ…?」




「突然ごめん。でもさ、坂田は私のだから。
部活が同じだとそういうことあんじゃん?
これだけは言っときたくて。」




「あ、うん…。わかった。」




急にそんなこといわれても…。




「まぁ…坂田が振り向いてくれるのは私だけだからね。
それに貴方。私ほど可愛くないしね。」




ちょっと馬鹿にするような笑み…。
すごい…意地悪な子なのかな…。
私は苦笑するしかなかった。




「うん…私、可愛くないから…。」




「だよね〜」




めっちゃ酷くない?
初対面でこんな対応…。
結構傷つくよ…?






「ちょっとごめんなぁ。凛愛ちゃん…やっけ?」




えっ、……センラくん…?




「えっ、貴方誰…?」




凛愛ちゃんは少し焦っていた。
まさか男の子に聞かれてるとは思わなかったのだろう。




「僕はセンラです。坂田の部活仲間兼親友かな。
それと、ここにいるあなたちゃんの彼氏やよ?」




……ん?!えっ、今…えっ、あ、センラくんんん!!!




「えっ、センラくん…!」




センラくんは目配せると、
片目を瞑ってウインクをした。
口に人差し指を当ててシーって。





「…彼氏?この子の?」




凛愛ちゃんは色々と考えてるみたいだった。




「そうやで。だから心配で耳傾けてたんよねぇ〜。
そしたらなんか酷いこと言ってへんかった〜…?」




センラくんはニコって…ニコって…(大事な事なので二回言います。)
笑顔が怖いです。はい。




「あ…、ごめんなさい…。」




凛愛ちゃんは謝ってくれた。




「あなたは坂田のマネでもあるんよ?
いくら坂田が好きやからって…なぁ…?
初対面の人にその態度はないやろ。」




「……ごめんなさい。」




凛愛ちゃんはボソッと言って
走っていってしまった。




「………センラくん…ありがと…。」




「いや…、ええんよ。僕がしたくてした事やし。
それにしても…あの子酷いなー……。」




「でも…あの子はほんとのことを言っただけだし…。」




そう。私は凛愛ちゃんみたいに可愛くないもん。
普通に事実を述べただけだよね。凛愛ちゃんは。




「確かに美人やったけど…。
僕は…あなたの方が可愛ええと思うよ?」




センラくんが微笑んで言ってくれた。





「えっ、あ、…ありがとう…。」




私は顔が赤くなってしまった…と思う。

























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センラくんは王子様なのでしょうか。
次回もお楽しみください。

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