外は気持ちいい青空でした。
「朝からありがとね。家まで着てくれて…」
私は朝から楽しい時間を過ごさせてもらった。
もちろん誰にも言えないような事なんだけどね。
「ううん。俺たちこそありがとう。
あなたの家、綺麗だね〜」
志麻くんが言った。
えっ、そうかな…。
「そんなことないよ!?普通だよ〜」
綺麗ってよく言われるけど…。
私はそんなこと思ってない。
普通の家より大きいのかな…?
その後は色々と話しながら
学校へと向かった。
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学校が見えてきた。
あれ、校門の前に誰か立ってる…?
誰だろう……。
「あ、坂田〜!」
その子が坂田くんを呼んでる…?
「……えっ、凛愛?」
凛愛(りら)ちゃん…?
えーっと…どちら様でしょうか…。
「久しぶり!ずっと会いたかった…!
あのね、、またこっちに引っ越してきたの!」
その子は嬉しそうに話し始めた。
坂田くんは驚いているみたい。
「そうなんだ…びっくりしたよ…笑
またよろしくな。凛愛。」
凛愛ちゃん…っていう子はとても可愛かった。
顔が整っていて、モデルでもやっていそう。
でも…1つだけ気になることが…
多分、坂田くんと幼馴染とかだと思うんだよね。
私も幼馴染がいるから何となく分かる。
でもね、坂田くん…反応が微妙な気がするの。
久しぶりに会ったら、、嬉しそうにすると思ったのに…。
「ねぇ、坂田。久しぶりに話したい…。
今日は時間ないのかな…?」
「ごめん。最近は部活が忙しくて。
だから、…もう少し落ち着いてからなら…」
凛愛ちゃんの誘いを坂田くんは断っていた。
「坂田〜、先行ってるぞー?」
うらたくんが言った。
「えっ、あ、うらたん待ってぇー!」
坂田くんは慌ててうらたくんを追いかけていった。
凛愛ちゃんは大丈夫なのでしょうか…??
チラッと凛愛ちゃんの方を見てみると…
「ねぇ…?ちょっと…いいかな。」
話しかけられちゃった…。
仕方ない、話してみよう。
「うん。大丈夫だよ。」
私は笑顔で答えた。
「あの…さ、貴方。坂田に手出してない?」
「えっ、出してないよ…?」
「突然ごめん。でもさ、坂田は私のだから。
部活が同じだとそういうことあんじゃん?
これだけは言っときたくて。」
「あ、うん…。わかった。」
急にそんなこといわれても…。
「まぁ…坂田が振り向いてくれるのは私だけだからね。
それに貴方。私ほど可愛くないしね。」
ちょっと馬鹿にするような笑み…。
すごい…意地悪な子なのかな…。
私は苦笑するしかなかった。
「うん…私、可愛くないから…。」
「だよね〜」
めっちゃ酷くない?
初対面でこんな対応…。
結構傷つくよ…?
「ちょっとごめんなぁ。凛愛ちゃん…やっけ?」
えっ、……センラくん…?
「えっ、貴方誰…?」
凛愛ちゃんは少し焦っていた。
まさか男の子に聞かれてるとは思わなかったのだろう。
「僕はセンラです。坂田の部活仲間兼親友かな。
それと、ここにいるあなたちゃんの彼氏やよ?」
……ん?!えっ、今…えっ、あ、センラくんんん!!!
「えっ、センラくん…!」
センラくんは目配せると、
片目を瞑ってウインクをした。
口に人差し指を当ててシーって。
「…彼氏?この子の?」
凛愛ちゃんは色々と考えてるみたいだった。
「そうやで。だから心配で耳傾けてたんよねぇ〜。
そしたらなんか酷いこと言ってへんかった〜…?」
センラくんはニコって…ニコって…(大事な事なので二回言います。)
笑顔が怖いです。はい。
「あ…、ごめんなさい…。」
凛愛ちゃんは謝ってくれた。
「あなたは坂田のマネでもあるんよ?
いくら坂田が好きやからって…なぁ…?
初対面の人にその態度はないやろ。」
「……ごめんなさい。」
凛愛ちゃんはボソッと言って
走っていってしまった。
「………センラくん…ありがと…。」
「いや…、ええんよ。僕がしたくてした事やし。
それにしても…あの子酷いなー……。」
「でも…あの子はほんとのことを言っただけだし…。」
そう。私は凛愛ちゃんみたいに可愛くないもん。
普通に事実を述べただけだよね。凛愛ちゃんは。
「確かに美人やったけど…。
僕は…あなたの方が可愛ええと思うよ?」
センラくんが微笑んで言ってくれた。
「えっ、あ、…ありがとう…。」
私は顔が赤くなってしまった…と思う。
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センラくんは王子様なのでしょうか。
次回もお楽しみください。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。