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第1話

キャラクターに何を言わせるかについて
 小説を書き進める内に、何を言わせればいいか分からなくなることが、私にはある。
 きっとあなた様にもあると思う。
 それは例えば男の子が女の子へ告白をするシーンを描くとき。
 伸び悩む。
 悩みに悩んで、結局、わからない。
男の子
好きだ
 ──ああ、こうでもない。
男の子
愛してる

 ──違う。これじゃ薄っぺらい。

 もっとこう。カッコイイことを言わせてやりたいし、この後の展開もどう書けばいいのやら。
 こういう設定の、男の子だから。こうさせてやりたい。でも、なんか違うようになる──
 あなた様にもこんなことはよくあるのじゃないかと、私は勝手に妄想しておく。
 こうなってしまったあなたは、今、『設定』に縛られているのだ。
 こんなことになったら、こう、考えてみるといい。


『この男の子は告白したい女の子をどう思っているのだろうか』



 丁寧に言えば、『設定』と『気持ち』を照らし合わせながら考えてみろ、ということだ。
 よく意味がわからないし、これこそ、『設定』に縛られているのじゃないのか、とあなた様は思うかもしれない。

 違う。

 『設定』だけを見るのではなく、この人がその人を今現在どう思うか、そんな話である。
 同じことを言うようになるが、さっきの例では、あなたは『設定』に縛られていることになるのだ。
 もっと視野を広く持ち、神のような視点で物事を見つめてみるのだ。


 男の子は何を語りたい?
 男の子は女の子にどんな気持ちを抱いている?
 女の子のどんな事実を知り、どんな性格を見て告白をする?
 これらを踏まえて、男の子の気持ちを考えてみよう。


 私があの状況で例を出すならば。
 男の子は好きという純粋な気持ちを語りたい。
 男の子は女の子に好きな気持ちが今にも口から零れそうなくらいの気持ちを抱いている。
 女の子の表と裏の顔を知り、本当は勇気がないだけの性格だという『設定』を真剣に向き合って告白をする。
 (ほとんど似たような言葉でありきたりだが、)これを踏まえて、出来上がる一文は。


男の子
どんな君もオレは好きだ。例え周りがダメでも、オレがいる、だから──
 恥じらいなど、そこにはない。
 言葉が、好きの気持ちが、自然と口から溢れ出るのだ。


 彼女がどんなに苦しんだ人生を送ってしまって変わってしまっても、変わるほどのやわな気持ちは抱いちゃあいない。
 なぜなら、自分は彼女の全てを好きになれる自信が溢れんばかりにあるからだ。
男の子
──オレと付き合ってくれ
 彼女の答えを待つ。
 彼女は唇を噛んで沈黙し続ける。潤いに満ちた唇からは今にも血が滲み出てきそうだ。


 沈黙は自分の問いかけに期待を、あるいは緊張を抱かせるかのように続いた。
 そして、彼女は小さく口を開かせて──

女の子
──はい



 こんな感じになる。これだけでもロマンチックだ。
 気持ちを地の文に入れると丁寧でよろしいと思う。
 また、男の子の『設定』も文章から浮き出て見える。(ちなみに私はかなり寛大な心を持っているヒーローの中のヒーローをイメージした)
 一人称視点の小説によくある、『一人称の人もよく、思ってる思ってるって語ってるけどさ、結局具体的にどんな性格なのよ?』という疑問も抱きにくくなるだろう。


 もちろん、私とあなた様とは全く違う答えのはずだ。
 あの例であれば、『純粋で今にも口から零れそう』という部分を強調したければ、ひたすら好きの言葉を早口で並べたり。
 『表と裏の顔を知っている』ことを強調したければ、気を遣いながら、狼狽えながら言ってみたり。

 色々あると思う。
 どこに注目するかは、『設定』次第。
 その男の子がどこをよく気にしていて、どこを第一優先に考えるかで気持ちと発言は変わるだろう。