第2話

「ねぇ、私ついに恋したかも!」
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2017/11/04 10:39
「ねぇ、さやちゃんどうしよう!聞いて!」

「ん?なに?」

さやちゃんは弓を弓立てに置きながら言った。

この子は紗耶佳(さやか)。中学校からの友達で、部活中はさやちゃんと一緒にいることが多い。

そんなさやちゃんに、私は昨日のことを一番に報告した。

「ねぇ、私ついに恋したかも!」

結構大きな声になってしまった。他の部員が見てきたが、興奮していた私は気付かなかった。

「ほー、そうなん。……え!?」

さやちゃんが時間差で驚いた。

そして「え?」を連発しながら聞いてくる。

「いつ?誰に?」

「昨日、ファリマの店員さんに!」

「ファリマの!?店員さんに!?」

そう繰り返してまた「え!?」と叫ぶさやちゃん。

そりゃびっくりするよね。だって、恋ができなくて困ってるって私この前言ったばっかりだもん。

「そこじゃねーだろ」

「え?」

後ろを振り返れば、そこには見慣れた顔があった。

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