第10話

「…………」
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2017/11/07 12:15
「……え」

「……あ……」

えぇと、とどうしていいかわからないような表情で立っていたのは――今日はいないと思っていた、奈倉さんだった。

………………!?!?

「…………」

「…………」

無言の見つめ合いが続く。こんな状況じゃなかったらどれだけのときめきがあっただろう。だが今は冷や汗しか出てこない。

「……あの、…………聞いてました?」

恐る恐る尋ねる。しばらく、奈倉さんは言葉を選んでいるような雰囲気を顔に滲ませ、そして言った。

「……僕と同姓同名の人を、好きな人だって言ってたのは……聞きました。すみません」

深々と頭を下げられた。

私の脳内火山が噴火した。

嘘だ……誰か夢だと言って。あ、でももしかしてギリバレてない……?同姓同名の別人って思ってる?

「いやバレてるでしょー。てゆーかあなたちゃん、それ全部声に出てるからねー?」

「え!?」

彩香に驚きの声を上げたのと同時、奈倉さんが気まずそうに固まった。

――本当(マジ)なんだ……。

「ああ、これで完璧にバレたね……どうするあなたちゃん」

「さやちゃん……ど、どうするって、どういう選択肢があるの?」

「告白するか、しないかー。こっちはちゃんとした方がいいと思うけどなー」


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少女漫画の中でしか見たことない赤面必至のあれを、私がここでやるの……!?

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