第23話

「難しいなぁ……」
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2017/11/13 13:02
その夜。

「……LIME聞いとけばよかった」

私は自分のバカさに呆れていた。

いくら綾斗さんとの時間が楽しかったからって、LIMEも電話番号も聞かないとかバカすぎる……。集合時間と場所だけ先に決めといて正解だった。

「何着て行こう……」

クローゼットを開けて――私は目を伏せた。

脳裏に嫌でも浮かぶ今日のこと。

相手は大毅なのに、いつもみたいに強気になれなかった。……なんでだろ。

あいつは幼稚園の頃から一緒の幼馴染みで、ムカつくけど嫌いじゃなくて……案外、私はあいつを大切に思ってるのかもしれない。

「そうだとしてもなぁあ……恋愛感情にはならないよねぇ」

ばふっ、と背中から勢いよくベッドにダイブする。

大毅はなんで私を好きになったんだろう……。

「……ごめん。綾斗さん」

謝ったところで聞こえるはずもないが、声に出すと少し心が軽くなった気がした。

「!」

ピコン、とLIMEの通知音が鳴った。

画面を覗けば、新規メッセージの通知が一件。

私は送り主の名前を見て目を見開いた。

「……大毅」

気になって、トークを開いた。
大毅
今日、いろいろ悪かったな
私は息を吸って、静かに吐いてから返信を打った。
あなた

大丈夫

すぐに既読がついて、返信が返ってくる。
大毅
けど、今日言ったことは全部本当だから
大毅
本気でお前が好きだ。ずっと好きだった
大毅
遅いし、何なんだよって思うかもしれねーけど、それは知っててほしい
……どう返せばいいの?

『ありがとう、でも私は綾斗さんが好きだからごめん』?いや言えないわ……このタイミングで言ったらダメだわ。

『うん。考えとくね』?……なんか上からじゃない?LIMEは表情見えないから誤解生みそう……。

迷っていると、トークに吹き出しが一つ増えた。
大毅
じゃあ、おやすみ
あなた

おやすみ

スマホをその辺に置いて、長いため息をつく。

告白してくれた人に気を遣わせて……ダメだな、私。

大毅を傷つけない答えを……ちゃんと考えないと。


「難しいなぁ……」

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