あなたside
翠から離れても教室に戻る気が起きず、保健室へと足を運んだ。
いつもと違う私を見て佐賀美せんせも少し驚いていたけど事情を察してくれたのか快くベットを貸してくれた
まぁ、佐賀美せんせがサボりに来た生徒だとしても追い出すのを見たことはないけど
冷やしタオルを借り、目に当ててベットに横になると泣き疲れ、睡眠不足が一気に押し寄せてきてそのまま寝てしまった。
それから起きたのは丁度4時間目が始まる頃だった。
保健室に来たのが1時間目になる前だから4時間くらい寝てたことになる
タオルを返し、バックを持って保健室を出ようとすると
佐「何があったかよくわかんないけど、いっぱい悩め。
お前らはまだまだ若いんだから
沢山悩んで、たくさん答えを見つけて自分だけの道を作って歩んでいけばいい
まっ、あんな泣き腫らした顔で教室にも行けないだろうからまたなんかあったらベットくらいいつでも貸してやるからな」
『…せんせありがとう。
また来るね』
私はお礼だけを言うと保健室を出て教室へ向かった。
途中担任の椚せんせに見つかって、朝からいなかった理由を説明するハメになり
"朝から車に轢かれそうになった"
"ぶつかった訳では無いがそのせいか具合が悪かったので保健室で寝ていた"
という嘘と本音を混ぜた。
理由が理由だったもので怒られはしなかったものの反省文を書かされたのはまた別の話
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。