あ「あなたちゃんと翠くんちゃんと話せてるかな。」
あの場所から離れて俺たちは噴水に来ていた。
ラッキーなことにいつもなら噴水でぷかぷかしているあの流星隊の先輩も今日はいなく静かにゆっくりできる。
『どうだろ〜ね。』
噴水の淵に腰を掛ける
あ「翠くんがあなたちゃんのことが好きなのは見ててすっごくわかり易かったけど、まさかあなたちゃんは真緒くんが好きだったなんて……」
あなたも、確か高峯?だっけ?
2人して顔に出やすくて行動にも出やすい。
多分分かってないのはごく1部だけだったと思う。
現にうちの恋愛なんて興味無さそうなリーダーでさえ
「リッツ!あなたはお前の幼なじみのことが好きなのか?!
今のあなたを見ているとインスピレーションが湧いてくる!!!」
なーんて言ってたくらいだしね。
俺的には高峯があなたに告白しようとどうでもいいけど……
『まーくんにはあなたしかいないんだよ。』
あ「え?」
『まーくんああ見えて……いや、自分が思ってるよりあなたのことが大切であなたのことが好きなんだよ。』
ただそれが自分自身でわかってないだけ
初恋がまだなまーくんはどういうものが恋なのかわかってない。
故に2人はすれ違う。
あ「……じゃあ私たちが背中を押さないとね」
『え?』
あ「真緒くんが私たちにしてくれたように、今度は私たちが真緒くんの背中を押さないとね^^」
そう言われて俺は思い出した。
俺たちが付き合った、付き合い始めたきっかけを。
まーくんがいなかったら俺たちはこうしていられなかったかもしれない。
全部全部まーくんのおかけだ。
『少しは恩返ししないとな((ボソッ』
あ「凛月くん、何か言った?」
『ん〜ん何も〜』
少し浮かれてた
いつもお世話してもらいっぱなしの自分がまーくんになにか返せるって思って。
だからこの時あなたがあんな決断をしてるなんて思いもしなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!