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あれから翼くんの言葉は頭の片隅に
残っていて
でも 誰でもくさい言葉を言うから
気にしていなかった
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季節は 秋
体育祭・文化祭の季節だ
今日 、体育祭の練習が始まる
百花 「 今日の5,6時間目練習だよ 〜 」
咲 「 やだやだやだやだやだ … 」
あなた 「 どうせ 行進とかでしょ 」
百花 「 よしっ がんばろーう !!」
百花ちゃんは気合い入れなのか
日焼け止めを全身に塗った
少しだけ暑い太陽が照らす
今日は やっぱり行進練習で
全校生徒が集まった
あ … 見つけた
翼くんが はちまきをクルクル回しながら
ぼーっとしていた
子犬みたいで かわいいなぁ、、、
すると翔真くんが 翼くんの元に
手を取って 生徒の列に入った
きっと仲がいいんだろうな …
百花 「 初日から声出しとかきつい 〜 」
咲 「 体育祭ってもっと華やかなイメージなのに !!」
5時間目の 行進練習が終わりヘトヘトだ
久しぶりに運動したから
すぐに疲れて汗が出る …
あなた 「 ちょっと 水飲んでくる!」
校舎まで走っていると
グラウンドの隅の木陰で
翼くんが座っていた
ここは勇気を出して話しかけよう
そのくらい出来ないと
あなた 「 おつかれさまです … !」
翼 「 あなた ちゃん … 、やっほ 」
翼くんは 優しく微笑んで
すぐにカメラに目を向けた
翼 「 体育祭の練習 きついでしょ 」
あなた 「 はい 結構 (笑)」
翼 「 僕も無理なんだよね 、こうやってみんなの顔を撮ってる方が好き !」
あなた 「 そうなんですね … !!」
翼くんは 私の笑顔の写真を見せた
私も撮っていてくれた
嬉しくて嬉しくて 思わず笑顔になった
あなた 「 あ、集合かかってます !行きましょ!」
翼 「 あ、そだね 行こ 」
6時間目は 各競技練習だ
一生懸命 練習した
翼くん リレーにでるんだって
意外と足がはやいのかなぁ …
それから 何日間も練習して
とうとう 明日が本番になってしまった
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百花 「 あぁぁぁ 本番だ … 」
咲 「 綱引き負けねぇからぁっ!!」
あなた 「 うおおおおっ 」
開会セレモニーが行われ
体育祭が始まった
気合十分
自分たちの競技をやり遂げた
百花 「 きゃ ーー!! 翔真くん !!」
咲 「 うるさーい 」
翔真くんは騎馬戦で 活躍していた
おかげで百花がすごくうるさい
それはそれで楽しかったけどね …
とうとう 最後のリレーになった
翼くんはアンカーのタスキをかける
周りの観客も 期待に溢れていた
百花 「 翼くん 意外とはやいの !」
翔真 「 あんまり無理してほしくねぇけどな」
咲 「 がんばってくださぁぁいっ 」
あなた 「 がんばれ !!」
パンッッッ !!!
スタートの合図だ
さすが選抜メンバーだ速さがすごい
すぐに 翼くんの番が来た
はちまきをぎゅっとしめ
いつもとは違う表情で バトンを受け取った
翔真 「 いけ !!翼 !!」
先頭と少しの差で走る
翼くんは 一生懸命走って走って
追い抜いた
あなた 「 がんばれ !!」
百花 「 いけぇえ!!」
咲 「 あと少し !」
翔真 「 翼 がんばれ !!」
パンッッ !
ゴールテープが切られた
結果は 1位だった
「 やったあああ!!!」
みんなが喜ぶ
翼くん はやっぱりかっこよかった
翼くん お疲れ様です
そう思いながら 翼くんの方を見た
バタッ …
炎天下の中
グラウンドの中心で
翼くんは 倒れた
あなた 「 えっ … 」
私達は唖然としていた
翔真 「 おい !翼 !!! 」
私達は翼くんの元に 走った
ふと頭によぎった
『 いつこの景色が見られなくなるか 、分からないじゃん ?』
『 あんまり無理してほしくねぇけどな』
なにか 翼くんに意味があるの ?
怖くなって 翼くんを見た
動かなくて 翔真くんが必死に起こす
それでも動かなくて
やっぱり怖くなって動けなかった
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ツヅク _____
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。