第3話

お礼は…
10,091
2018/01/21 07:01
ーピコーンッ。


スマホが鳴る。


んー?


『あなた先輩お疲れ様ですっ!

追加させていただきました( _ _)』


秀也くんからだ。


へぇ〜、顔文字とか使うんだ〜っ…。


『お疲れ様〜

今日はありがとね!』


って、返信早すぎ?


ーピコーン。


また着信音。


って、秀也くんじゃんっ。


早いなぁ〜。


『いえいえ!

あ、そうだ、お礼の話なんですけど…』


お、本題。


『決まったー?』


…なんか強制してるみたい。


無理矢理お礼とか言っちゃったから、もしかして迷惑だったかなぁ…。


私の悪いとこ。


頑固+押し付けがましい。


はぁ、こーゆーとこ直さなきゃなぁ…。


そんなことを考えていると、スマホが鳴った。


『今度の日曜日、空いてませんか??』


…ん?


日曜日…?


休日じゃんっ!!


え、空いてるっちゃ空いてるけど…。


『空いてるよ〜』


送信してからふと思う。


あれ?


それってもしかして…出かけようとか言い出す感じ!?


男子と出かけるなんてデートじゃん!


好きな人じゃなくてもデートじゃん!


やっば、空いてるって打っちゃった…。


トーク画面に目を移すと既読が付いていた。


読むのはやっ!


『じゃあ、買い物に付き合ってくれませんか?』


うっ…予想当たった!


どうしよ…。


断る?


でも空いてるのに断るなんて、失礼だよね…?


私が既読スルーをしたまま返信に迷ってると、それに気づいたのか秀也くんから新たなメッセージが。


『オレ、妹がいて、今度誕生日なんです。

何かプレゼントあげたいなーと思ってるんですけど、何がいいかわかんなくて…😓

一緒に選んでいただけないかなーと…🙇』


あぁ、なるほど!


そっか、それなら何も問題ナシ!


…って、よくないよ!!


中島先輩に…見られたら…。


こんな私でも、一応恋はしてる。


それも、生意気なことに叶わない恋。


中島慶太(なかじまけいた)先輩。


私がマネージャーをしてる、バスケ部の先輩。


まぁ、もうすぐ、夏には引退しちゃうけど。


それに、先輩には彼女がいて。


それでも、やっぱり好きなものは好きで…。


男子と2人で出かけてるとこ、見られるのはやっぱり嫌で。


でも先輩は彼女のこと大好きで…私には勝ち目なんかなくて…。


って、ネガティブ思考の悪循環…。


あーぁ、先輩のこと忘れられるくらい魅力的な先輩、現れないかな!


あ、やば、返信するの忘れてた…。


またスマホに視線を落とす。


『ダメですか?』


…さらにメッセージ来てた…。


って、そんなこと言われたらダメなんて言えなくなっちゃうじゃんっ!!


「はぁ…。」


まぁ、正直嫌ではないよ?


かと言って「わー、めっちゃ嬉しい!!」とはならないけど。


しゃーない、お礼だ。


『いいよ、日曜日ね〜』


そのあと色々話した結果、10時に学校近くの駅待ち合わせ。


妹ちゃんへのプレゼント、私だって分かんない!


私の価値観でいいのだろうか…。


男子と二人で…って、少し緊張する…。

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