第21話

ドキドキ
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2017/11/28 10:52
「真白、先輩、お菓子食べます?」


バスが発車してから10分後、後ろから手が伸びてくる。


お菓子の袋を真白ちゃんが受け取る。


「あ、ありがと…」


「ありがとーっ」


「前に回しといて。」


「あいよー

弥生先輩ー…」


真白ちゃんが前の席に座っている弥生先輩と松尾先輩にお菓子を渡す。


ちょっと話しかけられただけで顔が熱くなる。


胸がドキドキ言う。


もう、なんで…


こんなに秀也くんにハマってしまったんだろう。


「あ、そーだ2人とも、昨日言ってたのと、ちょっと予定変わるんだ。

これ、目通しといて?」


「「分かりましたっ」」


弥生先輩から紙を受け取る。


スケジュールの改訂版。


えーっと…


「あ、夜ご飯の前の練習の仕事、私と先輩逆になったんですね。」


真白ちゃんが紙を見ながらそう言った。


ほんとだ。


私が夕食準備で真白ちゃんがオフィシャルとかだったけど逆になってる。


な、なんで…?


せっかく…秀也くんと顔合せずに済むって思ってたのに…。





「やっとついたぁーっ!!!」


バスを降りて外に出ると、前には大きな体育館。


その隣に宿。


「じゃー、練習に必要な荷物だけ持って体育館集合!

荷物運びはあなたと、真白、頼むな。

弥生はこっちで一緒に。」


「「「はいっ」」」


花村先輩から指示を受け、選手達の荷物をそれぞれの部屋に運ぶ。


部屋は学年ごと、マネージャーは3人1部屋。


荷物にはそれぞれ名札を付けといてもらったから、どれが誰のカバンかは分かる。


「あなた先輩っ、春希先輩って…」


「あぁ、中山春希(なかやまはるき)。

2年の部屋ね〜」


「分かりましたっ!

ありがとうございます!」


春希のやつ、下の名前しか書かなかったのか…。


普段私たちは先輩のことを苗字呼びするから、真白ちゃん、下の名前だけ書かれても分かんないよね〜。


私もいくつかバッグを持って宿に入る。


何往復かするとそれだけで疲れる…。


そういえば、ここには一回も来たことないなぁ。


今回は…どんな合宿なるのかな…?

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