第25話

待って!
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2017/11/14 20:40
…な、なんかいる?


今は風も吹いてるわけでもなく、辺りは静まりかえっている。


そんな中、後ろから音がする。


何?


獣?


クマとかじゃないよね?


怖いよ…


…ほかのこと考えよ。


次の組は誰だろーな…。


私はまた道の方に向き直る。


ポンっ。


え。


肩に重みをかんじる。


なに…。


「呪ってやる…」


枯れた低い声。


「きゃっ…」


な、な、


振り向くと…


「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」


目の前に明るく照らされた骸骨の顔。


それしか目に入らないくらい近い。


私は叫びながら後ずさりした。


でもしゃがんでるから上手く距離が取れない。


暗いっ、やだ…何っ!?


私は目を瞑った。


「先輩っ!!」


ガシッと肩を掴まれる。


ひっ…


「きゃ、」


「あなた先輩、目、開けてくださいっ。

オレですっ、秀也です!」


えっ…。


ゆっくりと目を開けると、暗いながらも秀也くんだと判別できた。


「すみません、そんなに驚くとは思ってなくて…」


「秀也くん…」


怖かったのと、安心したのと、もうよく分からないけど、涙が出てきた。


「先輩っ…泣かないでくださいよ〜

ほんと、ごめんなさい…」


「うぅーっ…」


ポンッと秀也くんの手が私の頭に触れる。


ドキッ。


そのまま優しく撫でてくれる秀也くん。


お陰で落ち着いてきた。


でもその反面、私の顔は熱く、鼓動が速い。


秀也くんに、頭撫でられてる…。


意識すると余計にドクン、ドクンと大きく波打つ。


周りに目を向けると、地面には懐中電灯とお面が落ちていた。


…なるほど。


「あ、ありがとう…」


私が秀也くんの方を向くと秀也くんはニコッと笑った。


「…秀也くん、なんでここに?」


「あぁ、先輩がなかなか戻ってこないから…」


やっぱり、もう終わってたんだ?


「橘先輩がオバケ役の人全員にLINEしたんですけど…

あなた先輩だけ戻ってこなかったんで、見に来ました。」


そっか…私、スマホ部屋に置きっぱなしだった…。


「ごめんね?

わざわざありがとう。」


「別に全然いーですよっ。

あ、もしもし、花村先輩?

あなた先輩、いました。」


…ご迷惑をおかけしました…。


「はい、じゃーまた。」


秀也くんが電話し終わり、こっちを振り向く。


「さ、戻りましょ?」


ドクンっ。


今なら…。


私は思った。


何故かわからないけど、ここしかない、今しかないって思った。


二人きり。


周りは静か。


告白するなら…今がチャンス。


「ま、待って!」

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