第27話

好き
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2017/11/13 01:02
「え!?」


な、な、今なんて!?


てか、なんで!?


「先輩が好きって言ってくれたら、残っててあげます。」


「は、はい?」


…。


言葉を失うんですけども…。


「あ、じゃぁ、行きますね?」


スクっと立ち上がる秀也くん。


「わ、え、ちょ!」


ぎゅっと、秀也くんの手を握った。


き、緊張するよ…。


ドクン、ドクンと私の鼓動が速く大きく鳴っている。


「好き。

私…秀也くんのことが、好き…だよ。」


かぁぁっ。


顔が熱くなる。


体温上がってる。


熱あるかもってくらい体が熱い。


告白…なんて、生まれて初めて。


「…よく出来ましたっ。」


秀也くんは私の横に座った。


「…秀也くん、なんか照れてる?」


私が好きって言ってから、こっちを見てくれない。


「…だ、だって!

…ウソでも、好きって言われりゃ照れますよ。」


秀也くんの言葉に喉の奥が詰まる。


気持ち悪い心臓の鼓動。


ウソ、って言った?


「…秀也くん、私、ウソなんかついてないよ。」


私の告白が、ウソだって?


バカにしないでよ。


「え…?」


「秀也くんに言われたから好きって言ったんじゃない。

私は、ちゃんと…

秀也くんが、好き。」


真っ直ぐ、秀也くんを見つめて。



「え、え?」


戸惑いを見せる秀也くん。


「じゃぁ、あなた先輩が中島先輩を好きっていうのは…」


「それ昔の話!

部員はまだそー思ってるらしいけど…」


もう、秀也くんにそんなこと勝手に言わないでよね!


誰が言ったか知らないけどさぁ。


「…ふふっ」


秀也くんが両手で顔を覆って笑う。


「な、何?」


「先輩、それって両想いってこと?」


ニヤニヤしながら言う秀也くん。


コイツ〜っ。


「んー、まだ片想いかなー?

秀也くんから好きって言われてないし。」


「前言いましたよね?」


「ううん、それ“もしオレが好きって言ったらどーしますか”だったもん。

“もし”の話なんでしょ?」


私だけに言わせるなんてずるいじゃん。


仕返しだよ。


「ふっ…先輩、ホントにイジワルですねっ。」


「…前から知ってたでしょ?」


「はい。

でも、オレそんなあなた先輩が好きですよ。」


「!」


ドクドクドクドクッ。


分かってても、好きって言ってもらうと胸が高鳴る。


「…不意打ち禁止!

もう1回!」


「え、なんでですか!」


「だって、なんか、流れで言ったじゃんっ!」


なんて、そんなのは後付された理由に過ぎなくて。


ホントはただ、もう1回言ってほしいだけ。


「…好きです、あなた先輩。」


っ…。


ぎゅーっと胸が痛くなる。


あー、今すぐ抱きつきたい。


そんな衝動に駆られる。


「ふふっ」


嬉しい。


同じ気持ちでいられたこと。


相手が秀也くんだってこと。


「私も好きだよっ」


好きと言えること。

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