第38話

久しぶりに
5,580
2017/11/13 01:27
「学校、行かなきゃ…。」


私は重い体を起こしてベットから出た。


私は今、大学2年生。


5月14日。


秀也に別れを告げられてから2回記念日を過ぎたよ。


ねぇ、私たち、なんで別れなきゃいけなかったの?


まだその理由は分からないまま。


あの日以降、電話をかけた。


LINEでも聞いた。


でも秀也が電話に出ることも、LINEで返信することもなかった。


私は冷蔵庫を開け、昨日の夜ご飯の残りのポテトサラダを出す。


去年の夏から一人暮らしを始めた。


急に一人は寂しかったけど、秀也のことを思い出して時々泣いちゃうから、一人になるのはちょうどいい。


卒業式以来、高校にも顔を出してないから秀也が別れてからどうしているかも分からず、どの大学に進学したかも分かってない。


私以外に、好きな人が出来たのかなぁ?


そんな理由でぷっつり連絡とるのやめる?


何があったの?


海外に留学でもしてるのかな?


それなら分からないこともない。


遠距離になるくらいならって思ってくれたのかもしれない。


ブーッブーッ。


スマホから着信音が鳴る。


電話。


あ、美優から。


今、美優と大学は違うけど、たまに会って話をする。


電話がかかってくるなんて珍しい。


「もしもし?」


《あ、もしもーしっ!

お久〜!》


「お久しぶり。

どーしたの?」


そう言えば、今年の元旦以来声を聞いてなかったな。


《あ、実はさ、今日高3の時のクラスメート数人で高校行ってみない?って話になってるんだけど、来る?》


「あぁ。」


なんかそんなことを美優が計画してるって話をどこかで聞いたような。


「ごめん、今日講義ある。」


《午後からなんだけど、それでも?》


午後か。


「あ、それなら行ける。」


《じゃあ、校門に2時集合で!》


「はーい。」


久しぶりに…高校か。


ちょっと嫌だなって気分もする。


だって、高校には秀也との思い出が沢山あるから。


今の私にとってその楽しかった思い出を思い起こすのは辛い。


でも、いい機会かもしれない。


「やば、もう8時半…。」


早く学校に行かなきゃ。


私は急いで準備を始めた。

プリ小説オーディオドラマ