第40話

忘れ物
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2017/11/13 02:05
「え…私、ですか?」


「うん。」


みんなが怪訝な顔をしてこっちを見る。


「卒業前に、忘れ物してったの、オレ預かってるから。」


忘れ物?


そんな記憶はない、けど。


「じゃあ、あなた、あたし達中入ってるね?

もしかしたらブラブラするかも知らないから終わったら連絡して。」


「あ、うん…。」


美優たちは職員室の中へ入る。


「じゃ、行こ。」


「は、はいっ…」





ガチャッ。


先生が研究室のドアを開ける。


ここは、初めて秀也が手伝ってくれた時の思い出の部屋。


ぶつかって、ノートを落として、拾ってくれて、運んでくれて。


あれが私たちの出会い。


あんなことから始まった私たちの恋。


運命だって思ってたよ。


違ったの?


「あ、そこ座っていいよ。」


先生は私にソファーに座るように促す。


そして、ファイルがびっしり並べられた棚の端っこに手を伸ばす。


「あー、あった、はいこれ。」


先生はそう言って私に白い封筒を差し出した。


「…なんですか、これ。」


「とりあえず、開けてみな。」


…。


言われるがまま、私は封筒を開ける。


中には、二つ折りにされた紙が何枚か入っていた。


「…?」


私はその紙を開いてみる。


「!」


これは…


書き出しが『あなた先輩へ』から始まる手紙だった。


この字…。


見覚えのある字。


これは、










秀也からの手紙だ。

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