前の話
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「メイ!!」
体に鈍い振動が走り、一瞬軽くなった。次の瞬間視界が真っ暗になった。
「メイ...メイ!!」
名前を呼ばれて目を開けたとき。自分の体が見えた。腕がなく。お気に入りの真っ白なワンピースが真っ赤に染まっていた。不思議だ。私はここにいるのに、目の前に私の体、全身ある。
母親が泣きながら私の体を揺すっている。
「え。」
ぽつりと呟き動けなくなった。意味がわからない。
ゆっくりと歩き、母親の体に触れる。すっと手がすり抜けた。
「お母。。。さん?」
触れられないすりぬける。
今度は、警察のような格好をした人に声をかけようとするが、同じように触れることができない。
「嘘だよね?」
声をかけても無視される。
その時、私の体のとなりに知らないおじさんが、
「13時14分崎野メイ死亡」
そう言った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。