私は、前と同じように私が壁を壊そうとした。
早く出たかったから。
何も無い奇妙な部屋から。
けど、壊れなかった。
前に壊れたのは、偶然なのか不思議だった。
だから、また、缶の中から出る方法を失ってしまった。
でも、その時、柚希先輩が言った。
『なな、もう一回、藍ちゃんを怒らせれば、いいじゃね?さっき、藍ちゃんは、怒った後、強なっていた。凄く。俺もびっくりしてた。笑ってた時でも、一様だけど、分かった。』
柚希先輩が言い終わった瞬間、私達は、笑い出した。
『柚希、自覚あったんだ!』
爛先輩が笑いながら、言った。
『止められなかったの?』
澪先輩が言った。
『柚希先輩、本当に自覚あったんですね。まぁ、疑っていましたけど。』
私は一度、笑と止めて言った。
その後、柚希先輩が言った。
『おい!俺も恥ずかしかったんだ。身体は、自由に動かせないし。』
柚希先輩は、耳を真っ赤して、恥ずかしそうにしていた。
私は、笑っている皆を見たら、嬉しかった。
先輩達が全員、揃って笑っているのは、久々に見た。
だから、私は、もう誰一人、先輩を失いたくないと思った。
そして、私は、言った。
『やります。誰でもいいです。私を怒らせてください。』
『でも、そんな事したら、藍ちゃんばっかり負担かかっちゃうし・・・。』
華先輩が言った。
『大丈夫です!多分だけど、出来ますよ。』
私が言った。
『本当に平気?』
爛先輩が聞いてきた。
『はい!』
私は、不安な気持ちを先輩達にバレないように、明るい声で返事した。
本当は、とても緊張しているし、怖いし、不安だけど、こんな事を先輩達にバレたら、迷惑かけてしまう。
だから、バレないようにしなきゃいけない。
『じゃあ、宜しくね!藍ちゃん。』
澪先輩が言った。
『嫌だったら、止めていいから。これから、藍ちゃんの嫌がる言葉を言う。大丈夫?』
柚希先輩が聞いてきた。
『大丈夫です。』
私は、不安な気持ちを抑え込んで、言った。
そして、始まった。
『柚希さ、死んで嬉しかったのに。』
『いや、柚希は、生き返ってくれて嬉しい。だから、あの時、藍ちゃんが死ねばよかったんだよ。』
『確かに。それに、藍ちゃんのせいで柚希は死んだんだし。』
『そうそう。私も、藍ちゃんの事、うざいと思う。』
『私も思う。早く死ねって。』
『だよね。本当に早く死ねよ。』
『いや、殺してあげる?』
『いいかも!殺す?今なら、殺せるよ。背後から。』
先輩達は、連続でどんどん言ってきた。
でも、先輩達は、最後に、小さな声でごめんと言う。
それに、優希は、言ってない。
だからか、全然、力が湧いてこない。
それとも、自分の事は、言われても、ムカついないのかもしれない。
だから、私は、先輩達が言ってる途中に割り込んで言った。
『すいません。効果なしです。多分、自分の事だと怒らないと思います。私は、あの時、先輩達の悪口を言われていたから、ムカついたんです。だから、あの、言いづらいんですけど、先輩の悪口を言ってもらえませんか?』
『いいよ。』
爛先輩が言った。
『私も』
『俺も』
と皆賛成してくれた。
そして、誰の悪口を言うかは、先輩達だけで決めてもらった。
私は、知らないで後から、作戦を開始した時、聞いた方がいいと思ったから。
そして、二回目の挑戦を始めた。
『てかさ、お前らさ、俺に死んでほしいとか言ってるけど、お前らが死ねばいいじゃん。』
柚希先輩が言った。
『いやいや。お前が死ぬから嬉しいんだよ。』
綾先輩が言った。
『そんな事言うなら、俺を殺してみろよ。その代わり、俺は、お前らを殺す。』
柚希先輩が言った。
『馬鹿なの?まぁ挑戦してみたら。』
爛先輩が言った。
その後、柚希先輩以外は、倒れた。
優希も先輩も倒れた。
『藍ちゃんのせいで皆殺しちゃったじゃん。』
柚希先輩が言ってきた。
私は、嘘だと思っても、この光景は、見たくなかった。
そして、柚希先輩がもう一度私に言ってきた。
『お前も殺す。』
私は、その一言で完全に力が湧いてきた。
『先輩達を殺した柚希先輩は、先輩だとしても、許さないです!』
私が言った。
そして、私は、壁を壊した。
けど、先輩達は、未だに立たない。
『もう目が覚めないかもね。』
柚希先輩が言った。
いや、柚希先輩じゃない。
そして、正体を現した。
本当は、柚希先輩に化けたロボットだったのだ。
私は、あまりにも驚きすぎて、声が出なかった。
全然、気づかなかった。
じゃあ、本当の柚希先輩は、もう生きてないの?
私は、疑問に思った。
『本物の柚希先輩は?どこなの・・・?』
私が聞いた。
『生き返るはず無いでしょ?もう死んでるんだから。』
ロボットが言った。
私は、大事な柚希先輩に化けるなんて、大事な先輩達を傷つけるなんて、許せなかった。
だから、殺してしまった。
いや、壊してしまった。
あっという間に、ロボットは、喋らなくなり、動かなくなった。
そして、私は、すぐ先輩達の近くへ行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。