『あーれー?以外と弱かった?じゃあね。』
最後に聞こえた。
笑い声も聞こえた。
負けてしまうのか。
でも、私、頑張ったよね。
諦めかけた、その時だった…。
藍ちゃん!諦めないで!頑張って!目を覚まして!
先輩達の声がする。
私を迎えに来たのかな。
そんなわけないか。
私は、先輩達を守ることが出来なかったんだから。
恨まれてるに決まってる。
信じてるよ…。
先輩達の声が揃って聞こえた。
そうなわけない!
本当のことを言っていいよ。
お願い、藍ちゃん信じて…。
華先輩の声。
私、もう藍じゃないよ…。
私は、私は…。
藍ちゃんは藍ちゃんだよ。
怜先輩…。
私は私なのか…?
いや、違う!
もう私は、変わってしまったんだ。
殺人ピエロ達と同じことしてる。
そんなことない。守る為でしょ?
それは、あってる。
でも、守る為だけに色んな人殺してしまった。
そっか…。辛い?私達の所へ来る?
行きたい。
これからも色んな人が犠牲になっていっても?
それはやだ。
じゃあ、どうするの?
分からないよ。
藍ちゃん、私達の願いはね、皆を、生き残ってる人達を救ってほしい。出来るかな?
そっか…。
それが先輩達の願いなんだ。
じゃあ、叶えるよ。
絶対に叶えてみせるよ。
ありがとう、藍ちゃん。頑張れ。それと、さようなら。
私こそありがとう。
最後に先輩達と話せた。
よかった…。
私は、生きる。
生きて、色んな人を救う!
誰も死なさせない!
その時、私は、目が覚めた。
おっと、危ない。
トドメを刺さられるとこだった。
でも、避けることが出来た。
これからが勝負だ。
『倒してやるさ!』
私は、気合を入れた。
『何で、生きてるだ?潰したはずなのに…めんどくせーな!えっ…。何で死んだ貴様らがそこにいるんだ?』
敵は、驚いている。
私も、その言葉を聞いて驚いた。
『先輩達のこと?』
私は、聞いてみた。
『あーそうだ。お前の横にいるじゃねぇか。』
見守ってくれてるんだ。
私には、見えないのか。
『先輩達は本当に横にいるの?』
『あぁ、居るさ。』
私は、もう一度、横に見た。
そっか…。居るんだ。
笑えてきた。
もう、騙されないよ。
ほら、来た。
私は、敵の攻撃を止めた。
痛いが、手だから大丈夫。
敵は、今度こそ本当に驚いてる。
今だ。
私は、刃物をお腹に刺した。
命中だ。
でも、倒れない。
何故だ?
その時、敵は、笑った。
そして、語りだした。
『おい、お前は、何で颯太って奴が殺人ピエロになったか分かるか?分かんねえよな。教えてやるよ。そいつの心臓はな、ピエロ様の心臓にふさわしかった。ピエロ様は、心臓が盗まれた。ピエロ様はそれから、目を閉じた。俺は、そいつの心臓を、ピエロ様の心臓にした。そして、ピエロ様は起きた。それから言った。(お礼に心臓をやれ。殺人ピエロにしてあげなさい。)とな。まぁ、そいつも心臓がなきゃ、死ぬ。だから、俺の心臓をやった。そして、殺人ピエロになった。だから、俺には、心臓がない。でも、生きてる。これは、不死身の証拠さ。俺を倒してみろ。』
そして、笑いだした。
でも、すぐ止まった。
そして、敵は言った。
『俺には、勝てないって分かってるだろ?大人しく死ねよ。』
今の話が本当なら、許せない。
私は、言った。
『死ぬのは、あんたの方だよ!』
勝てる自信がある。
今の私なら。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!