第67話

最後の願い
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2018/07/03 11:26
『あーれー?以外と弱かった?じゃあね。』










最後に聞こえた。









笑い声も聞こえた。










負けてしまうのか。





でも、私、頑張ったよね。












諦めかけた、その時だった…。





藍ちゃん!諦めないで!頑張って!目を覚まして!











先輩達の声がする。










私を迎えに来たのかな。









そんなわけないか。









私は、先輩達を守ることが出来なかったんだから。







恨まれてるに決まってる。







信じてるよ…。









先輩達の声が揃って聞こえた。












そうなわけない!






本当のことを言っていいよ。





お願い、藍ちゃん信じて…。












華先輩の声。










私、もう藍じゃないよ…。











私は、私は…。











藍ちゃんは藍ちゃんだよ。










怜先輩…。











私は私なのか…?









いや、違う!









もう私は、変わってしまったんだ。











殺人ピエロ達と同じことしてる。










そんなことない。守る為でしょ?













それは、あってる。






でも、守る為だけに色んな人殺してしまった。








そっか…。辛い?私達の所へ来る?











行きたい。












これからも色んな人が犠牲になっていっても?










それはやだ。











じゃあ、どうするの?










分からないよ。











藍ちゃん、私達の願いはね、皆を、生き残ってる人達を救ってほしい。出来るかな?











そっか…。








それが先輩達の願いなんだ。








じゃあ、叶えるよ。













絶対に叶えてみせるよ。










ありがとう、藍ちゃん。頑張れ。それと、さようなら。







私こそありがとう。









最後に先輩達と話せた。










よかった…。









私は、生きる。











生きて、色んな人を救う!











誰も死なさせない!








その時、私は、目が覚めた。










おっと、危ない。







トドメを刺さられるとこだった。









でも、避けることが出来た。









これからが勝負だ。











『倒してやるさ!』








私は、気合を入れた。











『何で、生きてるだ?潰したはずなのに…めんどくせーな!えっ…。何で死んだ貴様らがそこにいるんだ?』










敵は、驚いている。








私も、その言葉を聞いて驚いた。











『先輩達のこと?』










私は、聞いてみた。











『あーそうだ。お前の横にいるじゃねぇか。』











見守ってくれてるんだ。












私には、見えないのか。











『先輩達は本当に横にいるの?』










『あぁ、居るさ。』







私は、もう一度、横に見た。










そっか…。居るんだ。











笑えてきた。









もう、騙されないよ。












ほら、来た。









私は、敵の攻撃を止めた。












痛いが、手だから大丈夫。











敵は、今度こそ本当に驚いてる。







今だ。









私は、刃物をお腹に刺した。











命中だ。










でも、倒れない。






何故だ?










その時、敵は、笑った。





そして、語りだした。












『おい、お前は、何で颯太って奴が殺人ピエロになったか分かるか?分かんねえよな。教えてやるよ。そいつの心臓はな、ピエロ様の心臓にふさわしかった。ピエロ様は、心臓が盗まれた。ピエロ様はそれから、目を閉じた。俺は、そいつの心臓を、ピエロ様の心臓にした。そして、ピエロ様は起きた。それから言った。(お礼に心臓をやれ。殺人ピエロにしてあげなさい。)とな。まぁ、そいつも心臓がなきゃ、死ぬ。だから、俺の心臓をやった。そして、殺人ピエロになった。だから、俺には、心臓がない。でも、生きてる。これは、不死身の証拠さ。俺を倒してみろ。』










そして、笑いだした。






でも、すぐ止まった。





そして、敵は言った。





『俺には、勝てないって分かってるだろ?大人しく死ねよ。』









今の話が本当なら、許せない。















私は、言った。





















『死ぬのは、あんたの方だよ!』









勝てる自信がある。









今の私なら。



























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