第54話

真似
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2018/05/19 13:18
もう少しで攻撃を出来る距離まで行った時に殺人ピエロと財前樹里は、消えてしまった。










前と同じように。








消えたら、何処に行くのだろうか。










それが分かれば、追いかけることが出来るのに。









どうすれば分かるのだろう。









消える前に攻撃を出来たらいいのに。










でも、何をしても間に合わない。








一瞬の出来事だから。






でも、その時、私は見た。











殺人ピエロと財前樹里が廊下をすごく早いスピードで走っているのを。











それを見て私は、謎が解けた。








あれは、消えたんじゃない。









私は、殺人ピエロに目線を合わせたまま、ずっと、そらすこと無く近づいていった。







それを利用された。







一瞬で私の後ろ側に移動したんだ。






そして、私にバレないうちに、扉から出た。











あの時、扉の開く音がしたのは気のせいじゃなかった。









もう分かったんだから、騙されない。










視線を合わせてはダメだ。








そして、消えてしまったなら後ろをすぐに振り向くことだ。











それに、仕組みが分かったんだし私もやってみたい。








私は、そう思った。












私は、殺人ピエロみたいに逃げるためじゃない。









一瞬で相手に攻撃するためだ。










見えないような素早さで。











だから、やっぱり視線を合わせるした。








相手に仕掛けられる前に私がやればいいんだから。









でも、やったことが無い。












失敗するかもしれない。







そしたら、どうするんだ。








また、逃げられてしまう。










失敗したくない。











そう思った私は、殺人ピエロと財前樹里を探すのを一旦やめて、その練習をする事にした。






でも、やっぱり簡単には出来なかった。









素早く出来ない。












遅すぎる。








どうすれば、あんなに見えないような早さで出来るのか。










いや、無理して真似しなくていい。










私なりの似たものを出来ないのか。









その時、閃いた。












相手に目を合わさせて、私の顔に集中させる。









その後、バレないように、足だけ動かして近づく。





顔の近くを動かさないように。









これなら、今出来る早さでも出来るかもしれない。








私は、次に現れたら、これを実行する事にした。









そして、それまでは、この技を、練習する事にした。























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