私は、しばらくして、目を覚ました。
周りには、もう誰もいなかった。
私は、先輩達を探そうと、起き上がろうとした。
けど、痛くて、起き上がることが出来なかった。
だから、私は、横になったまま、周りを見渡した。
すると、爛先輩と綾先輩と澪先輩と優希が目を閉じて、倒れていた。
私は、横になったまま先輩達の方へ進んだ。
床は、血塗れだった。
だから、服に血がたくさん付いた。
私は、汚れることが嫌い。
けど、もうそんな事は、気にしていられない。
だから、私は、そのまま気にしないで、進んだ。
でも、目の前に、血のたまっている池みたいなのがあった。
その血の池みたいのは、横に広がっていて、段々、ゆっくり、こっちにも来ている。
私は、それを見ると、少し気持ち悪くなった。
けど、何とか、私は、進んだ。
そして、遂に、こっちも、血の池みたいになってしまった。
私は、その血の池の中を顔を上にあげて、顔には、血が付かないように、進んだ。
地下は、血の匂いが広がっていた。
そして、私は、段々、疲れてきてしまった。
でも、最初いた場所からは、結構進んでいた。
なのに、まだ先輩達の所まで、距離があった。
疲れてしまった私は、段々、顔が下がってきてしまった。
そして、顎に血が付いてしまった。
私は、すぐに顔をもう一度、上に上げた。
けど、すぐに下がってしまう。
顔を上げて進んだり、下げて進んだりしていると、先輩達の所まで、あと五十メートル程になった。
私は、それから、スピードを少し上げて進んだ。
そして、遂に、先輩達のところまで着いた。
でも、その時には、我慢していた、痛みが、身体に響いて、これ以上動けなかった。
先輩や優希の身体には、新しい傷が出来ていた。
しばらくしても、先輩達は、起きる様子が無かった。
だから、私は、声を出して聞いた。
『爛先輩、綾先輩、澪先輩、優希、起きて!まさか、死んでないよね・・・?ねぇ目を覚ましてよ・・・お願い。』
その後、しばらくは、目を覚まさなかった。
私は、絶望的だった。
でも、その時、優希が目を覚ました。
でも、優希は言った。
『誰?』
私は、変だと思った。
けど、言った。
『藍だよ。私だよ!覚えてないとかじゃないよね?自分の名前分かる?』
すると、私の予想とほぼ、同じ答えだった。
『名前、覚えてない。何も分からない。覚えてない。』
私は、一瞬、頭が真っ白になった。
優希が記憶を失った。
これじゃあ、何があったか聞いても、覚えていないと思う。
私は、いない間に何があったのかよく分からなかった。
聞きたいけど、聞いても、意味無い気がする。
それに、優希以外は、まだ目を覚ましていなかった。
もしかしたら、死んでいるかもしれない。
確認したいけど、死んでいた時のことを考えたら、怖くて、確認出来なかった。
色々な事を考えていたら、頭が混乱してきた。
痛みで動けない身体じゃ何も出来ない。
私の血もまだ少し止まっていない所がある。
このままじゃ、私も死んでしまう。
でも、ここには、何も無い。
だから、何も出来ない。
地下は、地獄の風景みたいになってしまっている。
赤いじゅうたんのように、血は、まんべんなく、広がっていた。
私は、この後、どうすればいいのか、落ち着いて、考える事にした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。