第28話

記憶
952
2018/01/27 12:56
私は、しばらくして、目を覚ました。


周りには、もう誰もいなかった。


私は、先輩達を探そうと、起き上がろうとした。


けど、痛くて、起き上がることが出来なかった。


だから、私は、横になったまま、周りを見渡した。


すると、爛先輩と綾先輩と澪先輩と優希が目を閉じて、倒れていた。


私は、横になったまま先輩達の方へ進んだ。


床は、血塗れだった。


だから、服に血がたくさん付いた。


私は、汚れることが嫌い。


けど、もうそんな事は、気にしていられない。


だから、私は、そのまま気にしないで、進んだ。



でも、目の前に、血のたまっている池みたいなのがあった。


その血の池みたいのは、横に広がっていて、段々、ゆっくり、こっちにも来ている。


私は、それを見ると、少し気持ち悪くなった。



けど、何とか、私は、進んだ。



そして、遂に、こっちも、血の池みたいになってしまった。



私は、その血の池の中を顔を上にあげて、顔には、血が付かないように、進んだ。


地下は、血の匂いが広がっていた。



そして、私は、段々、疲れてきてしまった。


でも、最初いた場所からは、結構進んでいた。



なのに、まだ先輩達の所まで、距離があった。


疲れてしまった私は、段々、顔が下がってきてしまった。



そして、顎に血が付いてしまった。



私は、すぐに顔をもう一度、上に上げた。


けど、すぐに下がってしまう。



顔を上げて進んだり、下げて進んだりしていると、先輩達の所まで、あと五十メートル程になった。


私は、それから、スピードを少し上げて進んだ。


そして、遂に、先輩達のところまで着いた。



でも、その時には、我慢していた、痛みが、身体に響いて、これ以上動けなかった。


先輩や優希の身体には、新しい傷が出来ていた。


しばらくしても、先輩達は、起きる様子が無かった。


だから、私は、声を出して聞いた。



『爛先輩、綾先輩、澪先輩、優希、起きて!まさか、死んでないよね・・・?ねぇ目を覚ましてよ・・・お願い。』


その後、しばらくは、目を覚まさなかった。



私は、絶望的だった。


でも、その時、優希が目を覚ました。

でも、優希は言った。


『誰?』


私は、変だと思った。


けど、言った。



『藍だよ。私だよ!覚えてないとかじゃないよね?自分の名前分かる?』


すると、私の予想とほぼ、同じ答えだった。


『名前、覚えてない。何も分からない。覚えてない。』



私は、一瞬、頭が真っ白になった。


優希が記憶を失った。


これじゃあ、何があったか聞いても、覚えていないと思う。


私は、いない間に何があったのかよく分からなかった。

聞きたいけど、聞いても、意味無い気がする。


それに、優希以外は、まだ目を覚ましていなかった。


もしかしたら、死んでいるかもしれない。


確認したいけど、死んでいた時のことを考えたら、怖くて、確認出来なかった。


色々な事を考えていたら、頭が混乱してきた。


痛みで動けない身体じゃ何も出来ない。


私の血もまだ少し止まっていない所がある。


このままじゃ、私も死んでしまう。



でも、ここには、何も無い。



だから、何も出来ない。




地下は、地獄の風景みたいになってしまっている。


赤いじゅうたんのように、血は、まんべんなく、広がっていた。


私は、この後、どうすればいいのか、落ち着いて、考える事にした。








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