第12話

このゲームを始めた人
1,824
2017/11/19 11:12
私は、何処か隙間が無いか探した。
ゾンビの方は、隙間があれば通れる。
そう思ったから。
殺人ピエロの方は、確実に無理だ。
隙間があったとしても、通ることは出来ない。
ゾンビの方を見た時、ゾンビが3人に増えていた。
そして、殺人ピエロの方を見ると、殺人ピエロとゾンビが5人。
また、ゾンビの方を見ると、10人程いた。
私は、やばい。そう思った。
だけど、この状態で逃げることも出来ない。
出来るはずが無い。
隙間なんて、もう何処にもない……。
私は、諦めよう。もう無理だ。そう思った。
けど、全然近づいてこない。
そうだ。と私はひらめいた。
私の前には、多目的室がある。
多目的室の窓から、出て、さっき割った、技術室の窓から入ればいいんだ。
殺されるよりは、試してみた方がいい。
多目的室は、2階。技術室は、1階。
多目的室の外の壁には、パイプが下まで繋がっている。
このパイプを使えば、下まで降りれられる気がした。
だから、私は、多目的室に入った。
もちろん、ゾンビ達や殺人ピエロも入ってくる。
私は、自分の上履きを窓に投げた。
そして、窓が割れた。
私は、その窓から出て、パイプに捕まって、降りた。
すると、ゾンビ達は、降りてこなかった。
私は、下まで降りると、技術室に向かった。
私が今居る所から技術室の窓までは、あと3歩歩けば、いいぐらい近い。
技術室の窓にたどり着くと、私は、やばい。そう思った。
訳は、技術室の扉が開かないのを忘れていたから。
だから、校内には、入れても、技術室の中に、閉じ込めなれるだけ。
私は、ある事を思い出した。
ゾンビ達が校庭に出るとき、壊した扉がある。
そこからなら、入れると思った。
私は、すぐにそこに行った。
けど、私の行動することが分かってたのか、殺人ピエロとゾンビ達がその扉を見張っていた。
ゾンビだけなら、まだいいけど、殺人ピエロまでいると、もう無理だ。
しかも、何処にも隙間が無い。
私は、もう無理か…… 。
そう思った時だった。
殺人ピエロやゾンビ達が敬礼をしている。
真ん中の道を開けて。
そこに歩いてきたのは、財前 樹里だった。
私は、木から覗いて見ていた。
財前 樹里は言った。


『こんなにゾンビが必要?さっきから、ここに溜まりすぎ。そのせいで、人が全然捕まらないじゃない。早く捕まえに行きなさい。まだ、152人もいるのよ。全員捕まえたら、このゲームは、終わりね。そう言えば、残り時間は、356時間ね。やっぱり、少しずつ捕まえて。時間は、たっぷりあるわ。』


そう言って、財前 樹里は、どっかに行ってしまった。

私は、確実に言えることが出来た。
財前 樹里がこのゲームを始めた。

財前 樹里が、このゲームの一番偉い人。
そう考えていると、木に隠れていたのに、見つかってしまった。

校庭には、隠れる場所なんて、ここぐらいしか無い。
私は、必死に逃げた。
体育館が開けていた。
私は、そこに入った。
そして、舞台裏に隠れた。

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