第52話

曖昧な覚悟
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2018/05/11 12:48
殺人ピエロに追いついた時、殺人ピエロが消えた。








まだ、攻撃を出来てないのに。






でも、財前樹里は、そのままだった。








血まみれで意識をもうろうとしてそうだった。








呼吸が荒かったから。







私は、近づいて話しかけてた。







『ごめんなさい。信じられなくて。私、絶対殺人ピエロを殺すから。』









そして、財前樹里は、口を動かした。





けど、何を言ってるか分からなかった。








私は、財前樹里が完全に意識が失うまでそばに居た。








そして、遂に完全に動かなくなってしまった。






目も閉じた。







その瞬間、涙が一粒出てきた。







私は、すぐにその涙を拭いた。






そして、私は、三年七組の教室を出て、殺人ピエロを探しに行った。







まずは、二階から見て回った。









途中で罠にハマりそうになった。







床が抜ける罠。





きっと、殺人ピエロが仕掛けたのだろう。






そう思った。








その後も色んな罠があったが、私は引っかかることは無かった。








多分、警戒心が高かったからだろうと思った。








そして、二階を見終わった。









二階に殺人ピエロは、居なかった。








殺人ピエロが私がこうすると分かってるなら、次は、二階に来るだろう。






安全だから。






そして、財前樹里の様子を見に来る。






そう予想した。






だから、私は、二年七組に戻った。






まだ来てないみたいだった。





だから、掃除ロッカーに隠れた。







絶対バレないように。









殺人ピエロが来た瞬間、殺人ピエロの背中を狙う。








そして、殺す。








復讐する。







こうしたって、先輩達が生き返らないけど、そうしないと気が済まない。







それに、現実に戻れるのか分からない。






戻りたい。








でも、先輩達を捨てる事も出来ない。









一人で現実に戻っても、私は今から一年前に戻る。






そして、ここで死んだ人とはもう会えない。






生き返らないから。







親友、先輩、友達、皆に会えない。







でも、ここに居るとしても家族と会えない。







現実に戻っても死んでしまった親友、先輩、友達、が居なかったことになる。








そんなの耐えることが出来ない。







そう考えている時、殺人ピエロが入ってきた。







予想的中だ。









キョロキョロ周りを見渡している。







きっと警戒しているのだろう。









私には、気づいてないみたいだった。









私の心が曖昧な覚悟の中、戦いが始まろうとしていた。

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