殺人ピエロに追いついた時、殺人ピエロが消えた。
まだ、攻撃を出来てないのに。
でも、財前樹里は、そのままだった。
血まみれで意識をもうろうとしてそうだった。
呼吸が荒かったから。
私は、近づいて話しかけてた。
『ごめんなさい。信じられなくて。私、絶対殺人ピエロを殺すから。』
そして、財前樹里は、口を動かした。
けど、何を言ってるか分からなかった。
私は、財前樹里が完全に意識が失うまでそばに居た。
そして、遂に完全に動かなくなってしまった。
目も閉じた。
その瞬間、涙が一粒出てきた。
私は、すぐにその涙を拭いた。
そして、私は、三年七組の教室を出て、殺人ピエロを探しに行った。
まずは、二階から見て回った。
途中で罠にハマりそうになった。
床が抜ける罠。
きっと、殺人ピエロが仕掛けたのだろう。
そう思った。
その後も色んな罠があったが、私は引っかかることは無かった。
多分、警戒心が高かったからだろうと思った。
そして、二階を見終わった。
二階に殺人ピエロは、居なかった。
殺人ピエロが私がこうすると分かってるなら、次は、二階に来るだろう。
安全だから。
そして、財前樹里の様子を見に来る。
そう予想した。
だから、私は、二年七組に戻った。
まだ来てないみたいだった。
だから、掃除ロッカーに隠れた。
絶対バレないように。
殺人ピエロが来た瞬間、殺人ピエロの背中を狙う。
そして、殺す。
復讐する。
こうしたって、先輩達が生き返らないけど、そうしないと気が済まない。
それに、現実に戻れるのか分からない。
戻りたい。
でも、先輩達を捨てる事も出来ない。
一人で現実に戻っても、私は今から一年前に戻る。
そして、ここで死んだ人とはもう会えない。
生き返らないから。
親友、先輩、友達、皆に会えない。
でも、ここに居るとしても家族と会えない。
現実に戻っても死んでしまった親友、先輩、友達、が居なかったことになる。
そんなの耐えることが出来ない。
そう考えている時、殺人ピエロが入ってきた。
予想的中だ。
キョロキョロ周りを見渡している。
きっと警戒しているのだろう。
私には、気づいてないみたいだった。
私の心が曖昧な覚悟の中、戦いが始まろうとしていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。