私が先輩達の戦いを眺めていた時、華先輩が現れた。
私は、あまりにも急で驚いた。
だから、大きな声を出してしまった。
『華先輩!?』
私が大きい声で言ったが、綾先輩と爛先輩と澪先輩と優希は、気づいてなかった。
華先輩は、無言で私の前に立っていた。
私は、ずっと見つめられているだけだった。
でも、私は、恥ずかしくなって、視線を逸らした。
そして、言った。
『どうしたんですか?華先輩大丈夫ですか?怪我してませんか?華先輩必ず助けますよ!』
私が話しかけても、反応がなかった。
そして私は、気づいた。
華先輩の顔の表情が固まっている。
いつも、何もなくてもニコニコしていた華先輩が今は、ニコニコも笑いも泣くこともしていない。
絶対に嫌なはずなのに。
何か言いたいのかな?
それすら分からなかった。
そして、思った。
華先輩の表情がない。
なら、感情もないってこと?
もしかして、記憶も無くなった?
誰に消されたのか?
私は、もう一度、話しかけみることにした。
『お願いします。返事してくれませんか?辛いんですよね?私は、藍です。華先輩からは、藍ちゃんって呼ばれてました。覚えてますか?』
返事は、無かった。
けど、今、一瞬だけだけど、泣きそうな顔していた。
辛そうな。
すぐに戻ってしまったけど。
私は、何としてでも、華先輩を助けたい。
そう思った。
だから、華先輩に話しかけまくった。
『華先輩覚えてますか?華先輩と会ったのは、廊下です。私がポスターの貼り付けている時、手伝ってくれたんです。私、嬉しかったです。それで、次の日部活で会ったんです。その部活は、人数が多くて、今まで華先輩いた事に気づいてませんでした。けど、その日は、すぐに分かりました。私は、すぐに話しかけに行きました。そして、仲良くなったんです。華先輩の周りには、必ず人がいて羨ましかったです。きっと、華先輩が明るくて、優しいからだと思います。それに、後ろにいる三人も華先輩の友達ですよ。綾先輩、澪先輩、爛先輩。華先輩は、いつも、爛、綾、澪と呼んでいました。思い出しましか?』
華先輩から涙が出て来た。
『ありがと。藍ちゃん。助けてくれる?』
『もちろん!必ず助けます!』
私は、安心した。
華先輩がやっと笑ってくれた。
私は、とても嬉しかった。
だから、私も笑ってしまった。
『先輩達‼華先輩がいます!』
私は、教えた。
『華!?』
『無事?』
『よし、あと少しだ!倒すぞー!』
そして、先輩達は、さっきとは違う表情で戦っていた。
しばらくして、敵を倒すことが出来た。
すると、先輩達が、走って来た。
優希は、早歩き程度だった。
そして、華先輩に抱きついていた。
『華ー!良かった!無事で』
『もうほんと良かった。心配したよ。』
『そうそう。私も、助けようと必死になったよ。』
先輩達は、嬉し涙をながしていた。
そして、私は、言った。
『あの、紹介します。優希です。華先輩の救出するのを手伝ってくれました。』
『そうなの。ありがと優希くん』
華先輩は、笑顔で言っていた。
そして、華先輩が聞いてきた。
『柚月は?』
少し沈黙になった。
『柚希は・・・死んでしまいました・・・。』
私が言った。
『そんな・・・』
華先輩は、涙を流した。
柚希は、華先輩の幼なじみだった。
幼稚園の頃から、一緒だったらしい。
そして、華先輩を先輩達が励ましていた。
そして、優希が言った。
『ここから、逃げよう!気配がしてきた。』
私達は、周りを見渡した。
『そうだね。早くした方がいいかも。』
澪先輩が言った。
そして、その時、爛先輩が私をおんぶしてくれた。
『爛(?)すいません。』
『いいよ。大丈夫だよ!名前で呼んでくれてありがと。』
『いえいえ。名前で呼ぶの本当にいいんですか?』
『いいよ。』
そして、その時。
『ほらいくよー!』
澪先輩が檻の扉を開けてくれた。
そして、私達は、檻を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!